【ヒロアカ】俺は男じゃなくて女の子にモテてーの！２ (ページ22)

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５８話ページ22

『く…ｯ…ふ、ぅ…ｯ…』

｢…ふ、あは…あはは！
もうボロボロじゃないか！

普段その個性使っていなかっただろう！？
そのツケがきたみたいだねぇ！｣

あれから少しの時間で既に俺の体には
いくつもの切り傷が出来ていた

『はっ…それはお前も同じだろうが…』

｢んふふ…
でもねぇ、そろそろキツいんじゃない？
キャパも近いと思うんだけど｣

幾分か自分より切り傷の少ない父。
そんな父に少しの反抗で言い返す

も、ニタリと笑いながら図星をついてくる

全部図星だ。
個性使っていなかったのも
キツいことも
キャパが近いことも

でも、それでも…

『だからなんだってんだ…
そんなことで弱音吐いてちゃ…

ヒーローになんかなれねぇっての！』

｢…単純なところほんと変わってないよなぁ
でも…いいのかな？

君の大切な人が大ピンチだけど｣

痛む体に鞭をうち、
畳み掛けるように大鎌を振りかざす

それを軽々と受け止められ
そう耳元で囁く父

『…は…何言って…』

｢〜〜〜っ！！｣

その言葉で咄嗟に相澤先生へと視線を向ける
先生は大丈夫。だって、ヒーローだから

そう思っていた。
だが、目に映るのは
相澤先生が脳みその出た巨体に腕を折られている姿

痛みで声にならない声を発する相澤先生
その姿にゾワリと自分の内側から何かが沸き立った

｢お…？これはいかん…｣

俺から何かを汲み取ったのか
慌てて離れる父

でも、今はそんな事どうでもよかった

自分の内側から溢れ出る何か。
どんどん溢れてきて自分じゃ制御出来なくなる

次の瞬間、相澤先生の上にまたがる
巨体は軽く吹っ飛んでいた

｢……は……？｣

顔に手形をつけた男が小さく声を漏らす

『…許さねぇ…相澤先生を傷つけたこと
皆に手を上げたこと

絶対にゆる…さねェ……』

敵が吹っ飛んだのを確認しては
相澤先生へと近づく

そして、傷に触れないよう抱き上げては
ポーチから小瓶を2本取り出し、
相澤先生の口へと流し込んだ

『…すみません…相澤先生…』

ボロボロの相澤先生を目に移す
至る所から血を流し
右腕は握りつぶされたのか原型を止めていない

自分の目からは涙が滲む。
でも、ここで泣く所ではない泣いてどうすると
自分に喝を入れ涙を拭った