【暁のヨナ】姫をやめ従者になる (ページ26)

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２３話ページ26

｢A様！こちらです！｣

逃げていると影からミンスが出てきた
それに頷くとミンスの後をついて言った

ﾊｸ｢A…無事だな｣

『うん。僕はね…僕よりヨナ姫は…』

僕がそう言ってヨナ姫をチラリと見る
ヨナ姫は目に生気がなく、ただ涙を流していた

ﾐﾝｽ｢ここから裏山に出られます｣

｢見つかったか！｣

ミンスが裏山に出られる扉を指さした
すると近くから兵の声が聞こえミンスはﾊｯとすると

ﾐﾝｽ｢私が引きつけます！姫様、どうか無事で｣

そう言っては外に駆け出した
僕は下唇を噛むと立ち上がる

ﾊｸ｢A…？｣

『ミンスを追う。ハクはヨナ姫を頼むぞ。
助けたらすぐ追いつく。

姫様。待っててくださいね』

僕はそう言い残すとヨナ姫の呼び止める声を
無視しミンスの後を追った

ミンスを見かけると上から矢で狙う兵が見えた
僕はすぐさま駆け寄るとミンスの背を押すと
矢は僕の肩に刺さり苦痛で顔を歪めた

ﾐﾝｽ｢A様！？なんで…｣

『大切な部下を放っておけないだろ…
ほら、次の矢が来る。こっちに来い』

そんな僕にミンスは青ざめ僕はそういうと矢を引き抜き、ミンスの腕を掴んでは山の中に入った

『はぁ…はぁ…』

山奥に入りもう兵も追ってこないと分かると
近くの木に腰掛けた

ﾐﾝｽ｢A様…｣

『大丈夫だ。日が開けたら…風雅の都に向かうぞ。きっと、ハクならそこに行くはずだからな』

肩を押さえ、荒い息をする僕に
ミンスは心配そうに僕の様子を伺う
そんなミンスの頭をポンッと撫でﾆｼｯと笑った

ﾐﾝｽ｢…！…A様。その怪我は私のせいです。
手当だけでも…｣

『いや、大丈夫だ。
僕は人より傷の治りが数倍も早い』

ﾐﾝｽ｢ですが！｣

『ミンスは何で僕が不死導師って呼ばれてるか知ってるか？』

肩に触ろうとするそんなミンスの腕をパシッと掴んではそういう。そんな僕にミンスは慌てた

僕はミンスの腕を離すとそう言った
その言葉にミンスは不思議に思うもｺｸﾘと頷いた

『不思議な力を使い、治りが早いため。
ほら、建国神話に出てくる黄龍みたいな感じだ』

ﾐﾝｽ｢黄龍…ですか？確かに建国神話に出てくる黄龍は丈夫な体を持っていると聞きますが…

A様は黄龍ではないですよね？｣

そう適当にいう僕にミンスは真っ直ぐな目をしてそう言った

『…まぁ、な。でも、似たようなもんだよ僕は』