青葉よ・3

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堪能ページ8

──これからオープニングセレモニーを行います。生徒の皆さんは中庭に……

放送の後、クラスメイトの何人かは中庭へ駆けて行き、私含めた残りの生徒は窓から中庭を見下ろした。

実行委員の合図でカウントダウンが始まり、ゼロになった瞬間、風船が飛ばされる。

最後の一つが音を立てて絞みきった時、歓声とクラッカーと共に文化祭が始まった。

「行こいこ！」

「早く行かないとアイス売り切れちゃう！」

「そんなすぐには無くならないでしょ」

手を取ってバタバタと廊下を走る。一年生のフロアにあるアイス屋さんへ向かっていると、こんなに早く来るとは思って無かったのだろう、すれ違った生徒達に少し驚かれた。
慌ただしい先輩でごめんなさいね。

一番に並んで買ったアイスをゆっくり堪能し、次の教室へ向かう。

とわちゃんのクラスはタピオカ屋さんだった。一番飲みたかったミルクティーは売り切れていたが、代わりに買ったいちご牛乳味はすごく美味しかった。

金田一はなんと店名にまでなっていて、こだわりの焼きとうもろこしを売っていた。
一生懸命とうもろこしを焼いている金田一の後ろで、英は扇風機を独り占めにし、怒られていた。

渡はミニゲームコーナーの一角でスパイダーマンになってたし、京谷は階段下でチャーハンを食べていた。

強請っても分けてくれなかったので、すれ違いざまにゲームの景品で貰った可愛いシールを背中に貼ってやった。ふふ。