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ジンクス ページ3

「で、誰なの?」
「絶対誰にも言わないでくださいよ!?」
「言わない言わない」

焦ったように周りを見渡す高倉に笑いながら返す。
……あれ?前にもこんなことがあったような。


「……お、大沢っす」



「私、皀Aはお二人の幸せを全力で応援します」

椅子から立ち上がって高倉の両手を握る。
すると高倉は顔全体をみるみる赤くしていく。


「ああああの、俺先輩のこと本当につい最近まで好きだったんで、こういうことされるとまた先輩のこと……」
「あ、それはダメ」

パッと効果音が着きそうなほど、高速で手を離した。それはそれで傷つきますと高倉。めんどくさい奴だなあ。


「それでそのぅ……アドバイスとか頂けたらなあ、と」
「うーん……あ、文化祭で告るのはどう?」

「え、告白っスか!?」
「そうそう、あるジンクスがあってさ……」


毎年、生徒だけで行われる後夜祭に、”青城生の主張”というコーナーがある。そこで告白をすると二人は必ず結ばれるというものだ。

……大勢の前で告白して相手に断りにくくするという、ある意味卑怯な手ではあるけれど。


「体育館片付けるのバレー部だし、怪しまれずに誘えるって!」

「なるほど……皀先輩、ありがとうございます。俺、頑張って大沢にこの気持ちを伝えてみせます!」
「おおお、よし! その意気だよ!」


雄叫びをあげる高倉と、その横で飛び跳ねる私。一通り騒いで落ち着いてから気づいたけど、今の光景誰かに見られてたら相当恥ずかしいな。

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作者名:しるてん | 作成日時:2020年9月22日 19時

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