青葉よ・3

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重なってすれ違うページ11

「──いよいよ次は最後の演目、『青城生の主張』！皆、最後まで盛り上がってこー!!」

司会の言葉に皆が湧く。
さあ、ここが勝負だ。頑張れ、高倉。

"主張"する人達が壇上に上がる。

高倉の他にも何名かいて、「俺のクラスからトイレが遠すぎる！」とか、「義理でもいいので、下駄箱いっぱいにチョコを入れて下さい!!」など、共感できるものから面白いものまで色々あって、体育館中が笑いに包まれた。

そしておそらく、並び順的に高倉は最後だ。参加する時に内容は知らされるのかな？絶対盛り上がるからトリに回されたじゃん。

「秀全然戻って来ないね。高倉いるし、そこだけでも聞ければいいのに」

私がそう言うと英は「そーっすね」と気だるげに返してきた。今日も元気に無気力だね。

『──続いての参加者は一年生の高倉くん！では、主張を……』

「ねぇ、先輩」
「ん？」

『──お、大沢とわさん!!』

「先輩って、ジンクスとか信じるほうですか？」

『──個人名での指名です！御本人はこの体育館に……いたぁーっ!!』

「……まあ、いいものはあればいいよねって、思うよ」

『──大沢とわさん！俺は、あなたのことがーっ……！』

「へぇ……俺は」

『──好きです!!』

「どうでもいいなって、思います」

その時の英の顔は、よく覚えていない。

代わりに、二階から大きく手で丸を作ったとわちゃんと、その奥で揺れるカーテンが、目に焼き付いていた。