縣 ページ47
・
本当はだいすきだったこわかった喪うのがどうでもいい人間のどうでもいい呪いなんかで喪うくらいならみんな私の手で殺したいと思ったごめんなさいごめんなさい人間を殺したいと思ったことはないけど大切な人は殺したいと思ったただそれだけだった
退屈だったずっと死にたいと思っていたけどあの夏はじめて浴衣を着たみんなでお祭りに行ったわたあめを食べたかき氷を食べた傑に射的を教えてもらった私の15年間はなんだったんだろうと思った幸せだった
周りのおとなは気づかない私が私のちからが寝首を掻いていたことをなんてばかだと思った縣の家では毎年死人が出ているのにみんな私を護ろうとしていた本当にばかな人間だなと思ったそんな醜態ばかり晒しているから私なんかが産まれるんだ私は退屈を呪っていたけど私は一体誰に呪われて産まれたんだろうずっとそんなことを考えていた気がする
七海ごめん私あなたに逃げてほしかったこんなどうしようもない呪いにまみれた世界からあなたは違った気がしたあなたが逃げれば灰原も救われるかもしれないと思ったこんな呪いの言葉しか吐けないような人間にはなってほしくなくてだから
傑ごめんなさい私愛っていうものがわからなくてでも傑に名前を呼ばれるのはなんだかくすぐったくて心地よかっただから愛してるなんかわけのわからないちっぽけな言葉より最期にあなたから名前を呼んでほしかったもっとたくさん抱きしめてほしかった
毎日毎日毎日毎日毎日毎日あなた達からちからを盗むためだけに近くにいるのは辛かった
ちからは増えるけどあなた達から私の記録は消える私の身体はどんどん軋んで廻らなくなっていくどうして誰も私を覚えてくれない辛い悲しい虚しい私が退屈を呪ったから？
私は呪われて呪いにまみれて産まれたのに何かを呪うことも許されないこんな世界地獄だと思った死ねば神様はわかってくれるって思ったそこが天国になるって思ったでも違った私の天国はあなた達と過ごした
あの子もそうだきっと私を呪っているだろ私の死体の処理を任せたあの子はきっと私を誰にも見つけられない場所に沈めてひとりで腐るのを嗤う
わたしはずっとこわかったわたしはずっと逃げたかったこの世界から
わたしを苦しめる地獄であって
どうしたらよかったんだろう
わたしはたくさんの呪いをもったかわりにたいせつなものが欠陥していた多くの人間にはあって私にはな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 337人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しき(プロフ) - 神作すぎる (2023年4月9日 0時) (
レス) @page50 id: 3f65d643db (このIDを非表示/違反報告)
haruk1204(プロフ) - 妄想小説っていう類には収まらない話だから全呪術廻戦ファンは読んで見て欲しい、、、何回読んでも飽きません。お願いですから永遠に削除しないでください。 (2022年12月3日 17時) (レス) @page50 id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
妃 - 素敵でした。七海の、陽だまりよりも暗闇が似合いそう、と言う形容が記憶によく残りました。また読み直そうと思います。 (2022年6月14日 1時) (レス) @page50 id: b420da21f1 (このIDを非表示/違反報告)
扉子(プロフ) - 那乃さん» コメントありがとうございます。この子を象徴とするものは作らずに話を書いたためイメソンなど教えて頂けるとすごく嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年6月13日 23時) (レス) id: 655d1d8ce1 (このIDを非表示/違反報告)
那乃(プロフ) - 何故かこの子には「春、プールサイドの気象予報士」という歌が合うと思った。 (2021年6月5日 21時) (レス) id: 4d924b4f2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：扉子 | 作成日時：2020年12月10日 23時
