4 ページ5
・
不定期だけれど、普通の高校生をする日がある
普通の授業、普通の昼休み
午後の授業を裏庭でサボってみたり
非術師と同じ暮らしをする
そんな昼下がりだった
ぼたぼた
突然漂う鉄の匂い
誘われるように辿る
茂みにしゃがみ込む縣の口から血がとめどなく溢れ出ていた
「縣?、血が」
『…………気にしないで、たまにくるんだ』
夏油もサボり?って付け足すけどその血は止まりそうにない
「縣の術式となにか関係ある?」
悟が見抜けなかった術式だ、勿論私も誰も知らない、知るわけがない
『…こういう縛り、らしい』
『私の術式は開示向きじゃないから誰にも言うつもりはないけどね』
縣には常に分厚い壁がある
少し近づいたとしてもその壁は決して超えられない
超えさせてくれそうもない
「…私たち仲間にも、かい?」
『きっと、気味悪いって嗤うでしょう』
私含め高専にいる人間はだいたい気味が悪いけれど
「私は呪霊を喰らうんだ、これ以上に気味悪いことってあると思う?」
『ちょっぴり私の勝ちかな』
いつの間にか止まっていた血が白い肌に染みを作る
きれいだった
乾いた血が染み込んだ地面を見つめて
『教えないよ』って笑う、
そんな彼女を
ひとりじめしたいって思ってしまった
・
337人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しき(プロフ) - 神作すぎる (2023年4月9日 0時) (レス) @page50 id: 3f65d643db (このIDを非表示/違反報告)
haruk1204(プロフ) - 妄想小説っていう類には収まらない話だから全呪術廻戦ファンは読んで見て欲しい、、、何回読んでも飽きません。お願いですから永遠に削除しないでください。 (2022年12月3日 17時) (レス) @page50 id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
妃 - 素敵でした。七海の、陽だまりよりも暗闇が似合いそう、と言う形容が記憶によく残りました。また読み直そうと思います。 (2022年6月14日 1時) (レス) @page50 id: b420da21f1 (このIDを非表示/違反報告)
扉子(プロフ) - 那乃さん» コメントありがとうございます。この子を象徴とするものは作らずに話を書いたためイメソンなど教えて頂けるとすごく嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年6月13日 23時) (レス) id: 655d1d8ce1 (このIDを非表示/違反報告)
那乃(プロフ) - 何故かこの子には「春、プールサイドの気象予報士」という歌が合うと思った。 (2021年6月5日 21時) (レス) id: 4d924b4f2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:扉子 | 作成日時:2020年12月10日 23時