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「死んでてほしいって」
「あれ、本心?」
最強は軽率さも最強だとつくづく思う
「なんなんですか、もう終わった話でしょう」
「でもお前結構好きだったじゃん」
「アイツのこと」
「その多方面に誤解を招く言い方やめてください」
ずっと考えていた
あの人が灰原より私に固執した理由を
灰原は明るくて、積極的で理想的
要は可愛がられる後輩、というやつだ
それに比べて私は、きっと可愛がられるタイプではなかった
人と関わるのが得意な方ではなかったし
いつ死ぬかもわからない、そんな環境で繋がりを持つつもりもなかった
それでも、あの人は私を
「でも実際可愛がられてる自覚あったでしょ」
「……そのへんはもういいでしょう」
「あったんだ、あったんだよね?」
「…変わった人だなと思ってます、今でも」
考えても考えても
答えに辿り着けないまま、もう十年以上経ってしまった
結局あの人はなにがしたかったんだろう
はじめから自分の行く末を決めていたのに
裏切られて、腹が立った
でも
その憤りはすぐに寂しさに追い越されて
あぁ、そうか
「姉の様に、想ってた気もします」
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しき(プロフ) - 神作すぎる (2023年4月9日 0時) (レス) @page50 id: 3f65d643db (このIDを非表示/違反報告)
haruk1204(プロフ) - 妄想小説っていう類には収まらない話だから全呪術廻戦ファンは読んで見て欲しい、、、何回読んでも飽きません。お願いですから永遠に削除しないでください。 (2022年12月3日 17時) (レス) @page50 id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
妃 - 素敵でした。七海の、陽だまりよりも暗闇が似合いそう、と言う形容が記憶によく残りました。また読み直そうと思います。 (2022年6月14日 1時) (レス) @page50 id: b420da21f1 (このIDを非表示/違反報告)
扉子(プロフ) - 那乃さん» コメントありがとうございます。この子を象徴とするものは作らずに話を書いたためイメソンなど教えて頂けるとすごく嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年6月13日 23時) (レス) id: 655d1d8ce1 (このIDを非表示/違反報告)
那乃(プロフ) - 何故かこの子には「春、プールサイドの気象予報士」という歌が合うと思った。 (2021年6月5日 21時) (レス) id: 4d924b4f2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扉子 | 作成日時:2020年12月10日 23時