ヘヴン

27 ページ28

・






なんだ


結局アイツか




呪詛師に堕ちた理由だとか、後悔だとか長々と書かれてるもんだと





「期待した俺が馬鹿だった」




「なんだった？内容は」





「あーー」


「くっっそサムいポエム」

「見たら死ぬほど損する」



死んだほうがまだマシだ



「じゃあ遠慮しておく」


「まぁ夏油のことだからどうせAのことでも書いたんだろうな」




「間違ってはない」





「で、」


「どうするの」




「なにが」




「呪詛師の落とし物を見ちゃったんだ」


「呪術師として、どう落とし前つけんの」




「夜蛾先…学長につき出しとくわ」






「そんなんでいいの？」




「“最強”のメンツに泥塗られて、大好きな親友もとられちゃって」


「その“落とし前”がそんな生ぬる〜いものでいいんだ」




「死んでもどうでもいいやつと大事にしたいやつの境界くらいくっきりさせとけよ」






わからなかった



こんなにも簡単なことだったのに


“最強”になっても

俺はあのときから一歩も踏み出せてなかった






「硝子」



「俺は不器用で、クズで」

「あのときからなんも変わっちゃいない」



「漠然と生きて、全てを無駄に過ごしてきた」


「でも」


「やっと、今わかった」




「全部アイツ(縣)のせいだ」





「俺の怒りも、憎しみも、無限も」


「全部込めて」

「アイツ(縣)にぶつける」






「何十年かかっても」









「…あっそ」


「悪くないと思うよ」


「その“落とし前”」








「…夜蛾学長の胃に穴は開くかもだけど」







・

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す