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それから2日後、お母さんと蒼飛に報告した。
母「……夢のステージ、歌手オーディション…」
蒼飛「…。」
『これに、応募しました』
母「……そう。」
『…相談せずに、勝手に決めちゃってごめんなさい』
母「…別にいいのよ。Aがやりたいって思ったのなら、やったらいいわ。」
『!!ほ、ほんと!?』
母「でも」
『…』
母「…一つだけ、約束して。」
『…なに?』
母「絶対に、ギターは使わないで」
『…………え、?』
母「オーディション、行ってもいいけど、ギターは使わないで。」
『……なん、で?』
母「………なんでもよ。」
『……っ』
『……………い』
母「え?」
『意味わかんない!そんなの!!
なんでそんなこと決められなきゃいけないわけ?!
わたしにとってギターは、、、
お父さんとの、大切な思い出なのにっ、!!!』
母「っ、知らないわよそんなの!
Aにとってギターは楽しかった思い出かもしれないけどね、
私は、あなたのギターの音を聞くたびに、あの人のことを思い出してしまうの!
それが、とてつもなく……辛いのよ…っ!」
『…そんなの、そっちの事情じゃん…!!』
母「っ、………。」
『お母さんの気持ちだけで、わたしの将来を決めないでよ…!』
母「……。勝手にしなさい。」
バタン
『…。』
蒼飛「…ねぇちゃんは、いつもそうだよな」
『……え?』
蒼飛「いっつも自分の好きなことをやれてさ、いいよな。羨ましいよ。」
『…なによ、それ
わたしは…「俺はっ!
蒼飛「ねぇちゃんのせいで、本当に好きなこと、やりたいことすらわかんねーんだよ!!」
『…っ』
蒼飛「ねぇちゃんは、ちっせー頃から好きなギターやってきたんだろ?父さんと一緒に。
だから俺は、母さんの期待に答えなきゃいけなくなった。
知らねーと思うけどさ、母さんは、本当はねぇちゃんにバレーやってほしかったんだよ。
でも、ねぇちゃんはギターばっかりだった。だから母さんは、俺をバレークラブに入れさせたんだ。」
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作者名:ビッキー | 作成日時:2019年3月21日 22時