わたしの歌ときみの声２ (ページ16)

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悲しい気持ちページ16

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渋谷side

ずっと、泣いてなかったんやろうな。

って思うくらい、Aさんは泣いた。

そりゃそうやんな。

お父さんが死んだ、ってだけでショックなのに

お母さんと弟くんから突き放されて。

…突き放された、というか

お母さんも、弟くんも、

お父さんがいなくなったのが寂しかっただけで、

その気持ちを、Aさんに
八つ当たりしてしまったんやと思うけど…

"寂しい"っていう気持ちが

言葉にできたかできなかったか。

それが違うだけで、

［お父さんが死んで悲しい］

っていう気持ちは、みんな同じなんちゃうかな。

渋「…って、Aさん？」

『・・・・・・』ｽ-ｽ-

渋「……寝た？」

『・・・・・・』ｽ-ｽ-

渋「泣き疲れたんかな…

おやすみ」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

『・・・・・・』ｽ-ｽ-

・

・

・

・

トントン

渋「…ん、」

ユサユサ

渋「……ん、？」

『・・・・・・』ｼﾞｰ

渋「…ん、
あ、Aさん、？」

『・・・・・・』ｺｸﾝ

【昨日、わたしあのまま寝ちゃったみたいで…
すいませんでした。】ﾍﾟｺﾘ

渋「あ、いや、別に、ええんやけど…
てか俺こそごめん。Aさんの部屋でそのまま寝てたわ」

【全然大丈夫です！

すばるくん、朝食は食べる派ですか？】

渋「うん、食べるけど」

【じゃあ、今から作りますね！
味に自信はないけど…(笑)】

渋「あ、ありがとう」

『・・・・・・』ﾆｺｯ

こんな朝も、悪くないなぁ、笑

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