わたしの歌ときみの声２ (ページ26)

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貴方side

蒼飛「ねぇちゃん、ごめん」

少し経って落ち着いてきたときに、

蒼飛が口を開いた。

『・・・・』

蒼飛「俺、ねぇちゃんが羨ましくて…
それでめちゃくちゃなこと言って、ねぇちゃんを傷つけた。

…ごめんなさい」

母「そんなこと言ったら、私もよ。
Aがギターを弾いてる姿が、お父さんそっくりなの。
弾き方も、弾いてる顔も、本当に…。
それを見ているのが辛くて…」

『・・・・』

母「でも、Aが家を出て行って、すごくすごく後悔したの。
なんであんなこと言ったんだろうって。
もうこれ以上大切な人を失くしたくないって…

だからもう、いなくならないで…」ｸﾞｽｯ

…ここで、終わっちゃダメだ

謝られて気が済んで終わり、じゃなくて

乗り越えなきゃ

《お父さんの死をちゃんと受け止めて乗り越える》

ってことはきっと、

お母さんと蒼飛と、仲直りすることだと思うから。

『・・・・・・』ｽｯ

蒼飛「…ん？」

【謝るのは、私のほうだよ】

母「…A？」

『・・・・・・』ｽｯｽｯ

【勝手に家を出て行ってごめんなさい。
お母さんと蒼飛の気持ち考えずに、勝手なことばっかりやってごめんなさい。
わたしばっかり自由でごめんなさい。】

母「…」

【ずっと謝りたかったけど、結局逃げちゃった…
こんなわたしだけど、まだ家族と思ってもらえてるなら、

仲直りしたいです】

母「……A」

『・・・・』

母「…私は、あなたのことを家族じゃないと思ったことはないわ

いつだって私の自慢の娘よ」

お母さん…

蒼飛「俺も、ねぇちゃんは自慢のねぇちゃんだよ」

『・・・』

蒼飛「…そりゃあ、ねぇちゃんばっかりずるいって嫉妬してた時もあったよ。
情けねぇけど…

でも、だからって家族じゃないなんて思ったことは一度もないよ」

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