乗り越えるって ページ21
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貴方side
大山田「じゃあ、しばらくお母さんと弟くんには会ってないんだ」
『・・・・・・』コクン
大山田「…どう?寂しくない?」
『・・・・・・』
【寂しくないですよ!お友達もできましたし!】
大山田「…本当に寂しくない?」
『・・・・・・』コクン
大山田「……お母さんたちは寂しがってたよ」
……え、?
大山田「…ごめんね、聞いちゃったんだ。
喧嘩別れしたって。」
『・・・・・・』
大山田「お母さん。蒼飛くんも、心配してた。
どこで何してんだろうって。」
『・・・・・・』
大山田「それで、電話してみたら?って勧めたんだけど、電話かかってきた?」
『・・・・・。』
すばるくんに、《わたしのことが知りたい》って初めて言われた日。
すばるくんとジャッキーと一緒にたこ焼きを作った日。
あの日、確かに電話がきた。
けど、
_____怖くて出れなかった。
だから、少しでも気を紛らわせようと思って
いつかやろうと思っていた、たこ焼きパーティーをしたんだ。
【いきなりだったので、びっくりして出れなかったんですけど、電話きましたよ、ちゃんと】
大山田「そっか…よかった」
『・・・・・・』
大山田「…Aちゃん」
『・・・・・・』
大山田「僕はね、前に進んでほしい。」
『・・・・・。』
大山田「……実は、STONEROCK、解散したんだ」
『!!』
大山田「3年前、くらいだったかな。
みんなで集まってバンド練してたんだけど、なんか、いい音が鳴ってなくて…
それで、僕が提案したんだ。」
『・・・・・・』
大山田「みんなも同じこと思ってたみたいで、賛成してくれた。
解散ライブももう終わったんだ」
『・・・・・・』
大山田「今はそれぞれ、自由に好きなことしてるよ。
僕は、楽器屋で働いてる。楽器、好きだから。」
『・・・・・・』
大山田「辛かったし、悲しかったけど、僕らは死を乗り越えた。
だから次は、岩音家の人たちに乗り越えてほしいんだ」
『・・・・・・』
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作者名:ビッキー | 作成日時:2019年3月21日 22時