わたしの歌ときみの声２ (ページ14)

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自分の声ページ14

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【これがわたしの過去のすべてです。】

渋「…ん、ありがとうな」

『・・・・・』ﾌﾙﾌﾙ

【いつかはお伝えしなくちゃと思っていたので、よかったです。】

渋「…そっか」

前に、《Aさんのこと知りたい》

って言われた時から

いつかは言わなきゃいけないなと思ってたから、

言えてよかったな。

今までいろんな人に

《なんで喋れないの？》

とか

《ちょっとだけでいいから話してみて？》

って、散々言われてきた。

でも、ジャッキーとすばるくんは違った。

わたしが喋れなくたって

わたしに話しかけてくれて

優しくしてくれて

構ってくれて

それが本当に嬉しかった。

だから、

この人たちなら、わたしの過去を話しても受け入れてくれるんだろうな

って思った。

それくらい、信用してる。

…けど、

心の底では、まだ信じきれてないんだ。

自分でも、情けないなって思うけど…。

その証拠が、さ、

過去の話、ぜーんぶメモで伝えてるんだもん。

わたしは

まだ、自分の声の影響力を勝手に勘違いしてて

声が出せない弱虫。

わたしの声のことなんて、誰にも関係しない。

なのに、勝手に悲劇のヒロイン気取って。

自分の声が誰にも求められていないのが嫌で。

そんな自分の声を出すのが怖いんだ。

渋「…で、結局どうすんの？」

『・・・・？？』

【何がですか？】

渋「声、出さないの？」

…え、？

渋「俺は、Aさんの声、聞きたいけど」

『・・・・・。』

渋「Aさんが作った曲をAさんの声で聴きたいし、
Aさんと、メモなしで話したい。」

『・・・・・・』

渋「俺は、ずっと思ってたけど。」

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