恐怖の段 ページ35
*
『大丈夫ですか?』
しゃがみこみおじいさんに手を伸ばすと、突然起き上がりとても老体とは思えない握力で腕を掴まれた。
『へ』と間抜けな声がでたと同時に視界がグルっと回転した。
気がついた時には背後におじいさんが周り首元に小さな鎌のような物を突き付けられていた。
善法寺「A!」
『伊作せんぱ…』
老人「喋るな!」
状況が飲み込めない…
『なんで…ヒッ』
首元にチリッと痛みが感じた…何かが首元から垂れる感覚。
そんなもの血に決まっている。
痛い…
怖い…
老人「ガキ、持ち物をこっちに投げろ」
おじいさんが伊作先輩に怒鳴る。
痛みと恐怖で頭の中がぐちゃぐちゃする…
なんでこうなってるの?
私なにかいけないことした?
伊作先輩はこの人の言う通りにしてくれる?
私は嫌われ者の天女だよ?
ここでこのおじいさんに殺られても
伊作先輩達的には何も問題ない。
私見捨てられるんじゃ…
その答えに辿り着いた瞬間膝がガクガクと震え出した。
ガチャ
目の前が真っ暗になる感覚に落ちていると、金属音で視界がクリアになった。
おじいさんの言う通りに持っていた短刀と伊作先輩が身に付けていた風呂敷を地面に放り投げた伊作先輩。
老人「チッ…金になりそうなのはその短刀くらいか」
善法寺「言われた通りにした、さあその子を放してくれ」
伊作先輩の言葉に安心した私の瞳からは涙が溢れた。
老人「それは出来ねえな、オレたちの目当てはこの嬢ちゃんだからな」
私が目当て…?
それにオレ“達”て仲間がいるの?
老人「いつまで隠れてんだ!さっさと出てこい!」
おじいさんは再び耳元で大声をだした。
私は為す術なく怖いやら痛いやらで気が狂いそうだった。
殺すならはやく殺して
もう怖いのも痛いのも嫌だ…
周りからガサガサと何人かの足音がした。
何人かはわからないけどけっこういる…
いやだ
これ以上の絶望はごめんだ…
私は何も見たくなくて俯いてギュッと瞳を閉じた。
老人「な、なんだお前らは!!」
突然耳元で動揺した声が聞こえた。
私はゆっくりと瞳を開けるとそこにはアニメで見慣れた5人の姿があった…
『5年生…?』
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ようちゃん(プロフ) - 面白いです!続きまってます! (3月1日 14時) (レス) id: e74ec347f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かるた | 作成日時:2024年2月25日 16時