たとえば私が天女になったりして【忍たま乱太郎】 (ページ22)

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10歳の少女の段ページ22

＊

小松田side

腕の中で泣く彼女はとても暖かくて、とても小さなかった。
僕は今までこの10歳の少女の何に怯えていたのだろう…

この学園の1年生達と何も変わらない

純粋で真っ直ぐでとても優しいこの少女にいったい何ができよう。

小松田「落ち着きました？」

『…』ｺｸﾘと頷いたAちゃんは、泣いてごめんなさいと言い僕から離れた。

少し赤くなっている目元をゴシゴシと擦る彼女。

小松田「僕と一緒に落ち葉の掃除してくれますか？」

『はい、やらせて下さい』

僕が使っていた箒(ほうき)を渡して、小屋から新たに箒を持ってくる。

それから2人で黙々と落ち葉を集めていると
鐘の音がなった。

もうそんな時間か

「Aちゃん昼餉を食べに行こっか｣

ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝと飛び跳ね『わーい！お昼ご飯』と喜ぶAちゃんに自然とこちらまで頬が緩む。

かわいいなー！

＊

『おばちゃんB定食お願いします！』

小松田「僕はC定食を」

おばちゃん「はーい、ちょっと待ってね」

おばちゃんから定食を受け取るとAちゃんは食堂の隅っこの席へ向かった。

僕もついて行くと『シナ先生以外と食べるのは初めてです』そう言って嬉しそうに席に着いた彼女の向かいに僕は座った。

『わは〜！秋刀魚の塩焼きおいし〜！』

綺麗に身と骨にわけ食べるAちゃん。

そんな彼女が微笑ましくてジッ見ていると

『そんなに見られると食べにくいです』

少し頬を染めジトッとこちらを見る。

小松田「あはは、ごめんごめん」

そんな会話をしていると「そんなぁ、どの定食にも練り物が」と声が聞こえた。

土井「おばちゃんこのかまぼこ除けてもらえませんk」

おばちゃん「できません！」

キッパリと断られた土井先生は泣く泣くA定食を頼んでいた。

パチッと目が合うと、土井先生はこちらへ歩いてきた。

僕の隣に座った土井先生。

すごく驚いた様子で土井先生をみるAちゃん。

土井「天女様、さっきはありがとうございました。

おかげで喜三太の大切なナメクジを踏まずに済みました」

一体なんのことだろう？？

『い、いえ！そんな！

喜三太が悲しむ姿は見たくないので…』

少し緊張した様子で返事するAちゃん。
だけど嬉しそう。