たとえば私が天女になったりして【忍たま乱太郎】 (ページ21)

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涙脆い天女様の段ページ21

＊

少し離れたところに小屋が見える。

用具室はあそこか。

急いでそこへ向かい、縄梯子を探した。

『んーっと…』

どこにあるんだろ、薄暗くてあまり見えない。

コツンと足に何かがぶつかりコロコロと転がった。

なんだろうとそれを拾い上げると、思ったよりズッシリとしていた。

これって…

立花先輩の得意武器、宝禄火矢(ほうろくひや)があった。

『本物…だよね』

怖いから置いておこう。

『あった！』

縄梯子を見つけた私は急いで小松田さんの元へ戻った。

＊

小松田「天女様！ありがとうございました〜！」

落とし穴から出てきた小松田さんは私の手を握りブンブンと振り回しながらお礼を言った。

『いえいえ…お怪我がなくてよかったです』

そう言うと小松田さんは「僕、天女様のこと誤解してました…もっと意地悪で怖い人だと」眉を八の字にして困ったように笑う小松田さん。

『わたし小松田さんのこと好きなんです…』

私の言葉に「へっ」と間抜けな声を出す彼。

『小松田さんだけじゃなくて、忍術学園のみんな大好きなんです。だから誰にも危害を加えるつもりなんてほんの少しもありません。』

真っ直ぐ目を見て伝えてみる。

繋い出た手を更にギュッと握った小松田さん。

小松田「信じます、これから何が起きても天女様が僕たちのことを好きだってこと…」

胸の奥がじわっと熱くなる…この学園に来た時の警戒したような怯えたうな瞳はそこにはなくて。

嬉しくて視界が歪む。

そんな私の涙を優しく拭ってくれた。
「これからよろしくお願いしますAちゃん」

名前で呼んでくれた…

『よろしくお願いします…ｯ…』

泣いてる姿をみられるのが恥ずかしい私は小松田さんに抱きついた。

大きな手で背中を優しくポンポンと叩かれる。
そんな事されると余計に泣いちゃうよ。