たとえば私が天女になったりして【忍たま乱太郎】 (ページ14)

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山本シナの段ページ14

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山本シナside

しんベヱ「きり丸そのくらいにして食堂行こうよ〜

ぼくお腹すいちゃったよ」

『私もおなかすいたー！行こシナ先生！』

Aちゃんはその場を逃げるように食堂へ向かった。

きり丸に面を見せるなと言われたAは目を伏せ今にも泣き出してしまいそうになっていた。

最初こそニコニコしていたAだが、きり丸の言葉に打ちのめされているのは明白だった。

天女と呼ばれ皆からの敵意を真正面から受け止めようとする健気な10歳の少女に、私は母性にも似たなにかが芽生えかけていた。

山本「Aちゃん大丈夫？」

『大丈夫です！いきなり抱きついた私が悪いので…』

へへへと眉を下げ苦笑いをうかべる彼女に「そうね、いきなり抱きつくのは辞めるべきよ」と言う。
天女と嫌われる彼女がこれ以上、傷つかないようにわたしは言った。

『はい…気をつけます。

でもほんとに妖術を使おうなんて考えていなかったんですよ』

信じてもらえないかもだけど。と小さく呟いたAちゃんは目を伏せ少し悲しそうな顔をしていた。

山本「わかってるわ。

私は信じるわAちゃん」

私の言葉に驚いたのか足を止め目を大きく開いてわたしを見上げる彼女。

山本「お腹すいたのでしょう？急ぎましょ」

『はい！！』

満面の笑みで返事をするAちゃん。

コロコロと表情が変わる少女に私は既に絆されていた。