○ 会長の過去 2 ページ41
優斗との初めての甘いキスを交わした夏休みは瞬く間に過ぎて、
八月末の登校日。
お互いを意識してから何だか小っ恥ずかしくて一緒に行かなかった学校。
私が教室に着くと、友達が声をかけてくれたり、廊下を走り回る男子と肩が触れる。
優『A、！』
クラスメイトの男子から背中をとん、っと押され、私の名前を呼びながらよろめくように向かい合わせに。
…いや、みんな、いつの間に知ったの。
首を傾げつつもリュックを持つ手に力が入ってしまう。
長めの前髪から覗く大きなまつ毛の下の黒い瞳が私を捕らえて離さない。
「ゆ、ゆと…、？」
優『……っ、ちょっと来て。』
「…へっ、？！」
横を駆け抜ける優斗が私の腕を取って走り出す。
廊下が流れるように視界を切って景色がぐんぐん、と変わる。
頬を風が掠めて、
二つに結んだ後ろ髪と前髪が揺れる。
私の手を引いて少し前を走る優斗へ吹く風が後ろへと流れて
昔から変わらない柔らかな柔軟剤の香りが私の鼻腔をくすぐる。
『…っ、はあ、…！』
突然立ち止まるから、予想外の判断に体が追いつかなかった。
案の定、思い切り優斗の背中にぶつかった私を独特の笑い声で馬鹿にした。
なんだよ、このやろう。
ほんの少し、仕返ししてやろうと、
繋いだままの手を引っ張って優斗を振り向かせてキスをした。
この間、あっさりと奪われたんだ。
私だって、奪ってやる。
ほんのそれくらいの気持ちだったのに。
優『…あー、もう知らね、』
優『…俺、悪くねぇもん、』
拗ねたように呟かれたそれ。
直後に降ってきた甘くてこの間よりずっと激しいキス。
初めて見る幼なじみの男の顔と食まれるように繰り返されるものに酔いしれながら、
私達は、空き教室でこっそりと指を絡ませた。
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ら む ね(プロフ) - rizuさん» こちらこそコメントありがとうございます！！嬉しいです〜(><) (2017年9月17日 16時) (
レス) id: 4f3ad6818f (このIDを非表示/違反報告)
rizu(プロフ) - 更新ありがとうございます楽しみにしてました！ (2017年9月17日 16時) (レス) id: 073a87d9cb (このIDを非表示/違反報告)
ら む ね(プロフ) - milkさん» ありがとうございます！！そう言っていただけて、本当に嬉しいです…(T_T) 更新頑張ります！！ (2017年5月19日 0時) (レス) id: 4f3ad6818f (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 続きが気になります！ がんばってください！応援してます。 (2017年5月18日 20時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
ら む ね(プロフ) - まちゅだとまとさん» 『恋する永瀬』読ませていただきました！長妻くんのキャラが引き立っていて、何より、廉ちゃんがひたすら可愛かったです（笑）『絶対服従。』をこれからもよろしくお願いします！ (2017年3月30日 21時) (レス) id: 4f3ad6818f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね | 作成日時：2017年3月20日 11時
