鬼課長な薮課長。

宣戦布告。 ページ21

(薮side)



朝。地下室へと向かうエレベーターに行く道で香水のキツいケバケバしい女に


メールアドレスなるものが書かれた紙を渡された。


いらん。



デスクのゴミ箱に捨てると



八【朝からイケメンは大変ですねぇ…、】




嫌味全開で出社してきた光。


あからさまに怪訝そうな顔をすると、ふはは、と不釣り合いに笑った。




八【Aさんのメアドしかいらないよな、薮は。】




『お前、どういう意味だよ。』




八【まんまの意味だけど？…あれ、違った？】




『お前、ふざけすぎだぞ。』



八【ふざけてんのはどっちだよ。ろくにアピールもしないで。…言っとくけど、】




次に飛んでくる言葉に思わず身構えると、ガチャ、と俺のデスクの突き当たりにあるドアが開く。




「おはようございま〜す。」




おはようございまーす、とニコニコ笑顔で挨拶を交わす隣の光。



八【俺は好きだから。Aさんのこと。】




きっと、これは世間ではこう言うのであろう。




八【宣戦布告。ね、】





『おい、光！』



きょとん、とした顔で振り返った光に俺だって言われっぱなしじゃ腹が立つ。




『俺が負けるわけないだろ。絶対に言わせてやるよ。』




『俺が好きだ、って。』

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