ウェーイ ページ3
中原視点
首領から呼び出され、首領室に行くと、エリス嬢をドレスを持ち、追いかけまわしている首領。
いつも通りの首領だな。
ため息を一つ吐き、立っているとエリス嬢と首領がこっちを見て固まった。
「っ!チュウヤーーー!」
涙目で、俺の後ろに隠れるエリス嬢。
「またリンタロウが!」
首領を指さすエリス嬢。
一方首領はあわあわと慌てている。
…
正直だが、首領のような中年がやっても可愛くない。←
「ちゅ、中也君。君は何も見てない。いいね?」
そう言う首領を見て、こんな人が首領で良いのだろうか…と思う。
「ええ。俺は何も見てません。ふわっふわのゴスロリを手に持ち、エリス嬢を追いかけ回している
首領など一切見ていません」
嫌見たらしく、告げると首領は思いっきり見てたじゃないか…と肩を下ろしていた。
エリス嬢は、俺の服をぎゅっと握っていたが何を思ったのか、ぱっと手を離した。
どうしたのか、とクエスチョンマァクを頭に浮かべているとエリス嬢は笑顔で告げた。
「いけないわ!チュウヤにはAという彼女がいるのに!これじゃ彼女が嫉妬してしまうわ!」
笑顔…というか若干ニヤニヤとしながら言うエリス嬢。
俺の体温は一気に上がり、熱は顔…主に、耳に集まる。
「う、うるせェ!」
思わず、恥ずかしさにいつもの口調に戻ってしまう。
しかし、それどころではなく、顔を隠すかのようにぐっと帽子を深く被った。
俺のそんな姿をニヤニヤとしながら見る、首領とエリス嬢。
「そ、そんな事より呼び出した理由は何ですか!」
半ば叫びながら、思っていた疑問を口に出した。
すると、先程のニヤニヤとした顔は何処へと言ったのか真剣な顔になる首領。
その顔を見て、やっぱりこの人は首領だな、と改めて思った。
「嗚呼、中也君。君には幼稚園児になって貰いたいんだよ」
……?
…
「は?」
俺の困惑の声が、首領室に響いた。
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愛恵 - とても面白かったです。次の話が楽しみです。 (2019年9月19日 2時) (レス) id: bdca734a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年8月25日 20時