一蓮托生【シャドーハウス】 (ページ2)

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アル視点

チリンチリン

僕の部屋に鈴の音が響く
パンが届き食べながら身支度をする

階段を上がり煤取りの間を通りアルド様の部屋に行く
部屋に入ると寝息が聞こえる､まだ寝ているらしい

アルド様の為に紅茶を入れていると物音がする

アルド「ん…｡紅茶の匂い…｡」

アルド様が起床した
アルド様はとても賢く学習能力が高い僕の自慢の主人だ

アルド「さぁ…今日は何をするかな…｡」

服を着替え終えたのか椅子に座りながらそう呟いている
よほど暇だったのか僕が集めた煤で芸術的な何かを作り始めた

アルド様は僕が掃除を終えるまでじっと見てくる
僕を待つアルド様は少し可愛らしい

コンコン

部屋にノックの音が響く
ドアを開けると顔のない人形がアルド様の食事を運んできた

アルド様が食事の間に洗面所を綺麗に掃除する
掃除から戻るとアルド様はデザートを食べないでいた

アルド「アル､掃除は終わったか？」

アル「はい、終わりました｡」

アルド様は苺をフォークで刺し僕に差し出す
僕はそれを食べるとアルド様はどこか満足気だ

本当ならお影様が食べる料理は口にしてはいけないのですが前に断ったら不機嫌になったのでそれ以来出されたら食べるようになった

アルド「そういえば…もうそろそろアルも外の掃除に呼ばれる頃か…｡」

アル「外ですか…｡」

アルド「嗚呼､他の生き人形にも沢山会えるはずだ｡」

だからと言って仲良くしすぎるなよっと注意される
嫉妬というやつでしょうか…

その後はアルド様とチェスをして遊ぶ

アルド「あー…負けた｡そういう戦略もあるのか｡」

アルド様は感心しながら紙に戦略を書き留め始めた

そう遊んでいるうちに寝る時間になる
アルド様の頬にキスをする

アルド「おやすみ､アル｡」

アル「おやすみなさい､アルド様｡」

これが僕の1日だ