絡みついて離れない。【我妻善逸】

壱 ページ2

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「そこのおねーさん結婚してぇぇぇ！！！」

「俺死ぬかもしれないんだって！！！」


「何この子...あ、そうだ！
あーれ、買ってくれたら結婚してあげるわよ」





家の窓からその光景を見たのは一週間ほど前



そして今、女の子に求婚したなんとも情けなさそうな金髪の男の子は貢がされただけで結局結婚なんて出来ずに他の男と一緒に逃げられてしまっていた





けれど彼は何だか嬉しそう
騙されたのに





馬鹿な人


過去の自分を見ている様でとても腹立たしく
観るに耐えないものだった



私は家を出て少年の元へ向かう






「ねぇ、そこの貴方。」

「えっと俺の事？」

「そう。」





私は先程女の子に振られ地べたにしゃがみ込んでいる彼と同じようにしゃがみ

頬に涙を伝わす彼にハンカチを差し出す






「そんなに結婚したいなら私としましょうよ」


「..........へ？」





差し出されたハンカチをありがとうと言って受け取り
涙を拭う彼に言う

情けない声を上げ
訳が分からないと言った顔でこちらを見る






「まずはお付き合いから！」





恋なんて、愛なんて、どうでも良くなるくらいの
とびっきり悪い女に騙されちゃえばいい



そうすれば貴方はきっと救われる
...私みたいに





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