黙って俺に愛されてなよ。【我妻善逸】

丗陸 ページ37

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＿＿＿全部思い出した







私の実の父は母を捨て他の女に乗り換え
実の母は病弱で私を産み病が進行し私が六歳の時に亡くなった



私は母の顔にそっくりな美しい顔だった


親戚に母を愛人にしたいと考えていた名家の人がいて私はその人達に引き取られた






「今日から御一緒に住まわせて頂くAです。
どうか末永く宜しくお願い致します。」




当然受け入れて貰える筈もなかった





義理の母は私のような汚らわしい下民が家に住まうという現実がどうしても受けいれられなかったのだろう


義理の父は私を実の娘よりも可愛がり同じく名家の息子と結婚させ利益を得ようとした


義理の姉は父が赤の他人に優しくし、そばかすがある醜い自分は愛されていないという劣等感から母と一緒になって私を虐めた





毎日を小さな部屋で勉強や教養を学ばされ気に入らない事がある度にお腹や腰などを蹴られ、目立たない所に傷は増えていった






地獄な様な日々が何年間にも渡って過ぎた



そして






「A、この方がが君の結婚相手の櫛笥右京さんだ。」





「初めまして、櫛笥右京です。」






今思えばこの男も愛に飢えていたんだと思う





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