黙って俺に愛されてなよ。【我妻善逸】

廿漆 ページ28

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あれから幾度の日が過ぎたのだろう




季節も変わりちらほらと雪が降って本格的な真冬を迎えようとしている






「今日は冷えるねぇ」

「きゃっ...！」





唐突に耳元で囁かれ
耳に弱い私は思わず声を出してしまう






「普通に出てこれないんですか！」

「ふふ、ごめんって」

「全くもう、」






彼を意識し始めてからしばらくたった
何だか受け入れ難くて、中々素直になれない






「Aちゃん最近つんけんしてるね
まぁそんなところも可愛いけど」


「っ...そうやって軽率に可愛いとか言わないで下さい。」

「可愛いからしょうがないじゃん！」





前までなら聞き流していたが今はなんだかその言葉がこそばゆい

それに...





「あ、そうそう。最近言ってる遊郭の子達も可愛かったなぁ」




とても腹が立つ


最近善逸さんは遊郭に入り浸っているらしい
本人はあの方に命令されて仕方なくと言っていたがそれも真かどうか分からない


心のもやもやと苛立ちが葛藤して何だか気分が悪い







「...私だけこんな所に閉じ込めておいて、いいご身分ですね。」


「え、な、なんか怒ってる？」

「怒ってません」



皮肉めいた言葉に貼り付けたような笑みを浮かべる






「いや、なんか怒ってる音してるよ！？」

「気のせいです」

「ねぇ何で怒って...」

「怒ってません、張り倒しますよ」

「ひえっ」





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