逆鱗に触れた。【我妻善逸】

玖 ページ10

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「わ、ここの料理美味しい！」



いつも自分で作った料理しか食べないので人が作ったものというのは新鮮だ


無一郎くんもうんうんと頷きながら美味しそうにふろふき大根を食べている




自分の料理を食べ終えると
私は無一郎くんが可愛らしく食べる姿を眺める




「..ん、何？欲しいの？」

「なら口開けて」


あーん、と子供に食べさせるかの様にして一口程に切られたふろふき大根を口に運ばせる




「うん！美味しい！」

「...ねぇ、今の何も思わないの？」



何のこと？

そう聞くと無一郎くんは少し呆れたような顔をした




「僕と間接的に接吻してるってこと」


「へ？」

「...ふふ」




自分で言っておいて少し頬を赤らめる彼が可愛いくてつい笑ってしまう




「何笑ってるの」

「いや、可愛らしい事言うなぁって」

「む、」




無一郎くんは眉を少し顰めて
私の口元に触れた




「ご飯をつけてるのに気づかないAも可愛いね」

「うう、...無一郎くんのいじわる」

「これに懲りたら可愛いだなんて言わないでよね」





弟がいたらこんな感じだったのだろうか
心が温まるような幸せな気持ちだ





「...無一郎くん、大好きだよ」

「っ...唐突にそういうこと言うのやめてってば」




可愛い無一郎くんと行くでーとも楽しいし幸せだけど



一番行きたいのは善逸と行くでーとだ
...最低だなぁ、私
人に順位をつけるなんて




少しの罪悪感が押し寄せた





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