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拾陸 ページ17

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質問には答えてくれなかった

少しの怒りを感じさせる笑みを浮かべるだけ




「...A、昼の稽古が始まるまで出掛けよう」

「え、あぁ...うん。」



やはりまだ優しい善逸というのは慣れない
別人の様だから


私はされるがままに朝食を与えられると今度は手を繋いで私の自室へと向かっていく




「昨日のあの着物着て見せて?」


部屋に入るとまず言われた
あの着物というのはでーとに着ていったやつだろうか

何故そんなものを見たがるのだろう



「いいけど...今ここで?」

「うん」

「え!?....わ、わかった!」



着替えている姿を見られるのは恥ずかしいが
善逸ならいいかと思い、まず羽織から脱ぐ



「ちょ!?え!?」



自分から言い出したのに善逸は物凄く驚いている



「?、だってあの着物に着替えてって」



「っ、...あぁもう」

「なら一言出てって言えばいいじゃん!」

「男の前で脱ぐなんて」




善逸は私に近づき
腰元に手をかける




「狼の目の前に兎を差し出すのと同じだから」

「...それともわざとやってる?
脱がして欲しいの?」




からかい混じりに善逸は言い、
私の服に手をかける


私はそれを拒みはしない




「...っ、拒まないの?」



私は善逸になら何をされてもいい

なんの躊躇いも頷く


善逸は眉を少し下げ悲しそうな表情をし
私から手を離した




「はぁ...」



ため息をつくと善逸はぽつりと言葉を零す
聞き取れはしない




「やっぱいいや。」

「稽古終わったら迎えに行くね」




少しいつもの善逸が垣間見れたが
また普段言わないような事を言い去っていった




あぁ、もう訳がわからない


突然接吻をされ
甘い言葉を囁かれ
優しい表情を向けられ



怒りと悲しみを感じて




「...好き」




どんな彼もどうしようもないほど愛しい

接吻も驚いたけれど凄く凄く幸せだった
昨日の感覚を思い出し頬が紅潮する



こんなにも好きなのに
愛しいのに



いつまでたっても伝わらない





.

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愛しています(プロフ) - 泣きました(´;ω;`) (2021年9月28日 19時) (レス) @page32 id: 98b7f3f08a (このIDを非表示/違反報告)
かるんとっと(プロフ) - 善逸が告白した時、もう思わず叫んで踊りました。それくらいこの作品が好きになりました! (2021年5月8日 22時) (レス) id: e2a15ae5f0 (このIDを非表示/違反報告)
むいくんガチ勢 - サイコーでした! (2020年10月9日 17時) (レス) id: 161ba2dcae (このIDを非表示/違反報告)
香穂(プロフ) - 素敵… (2020年9月7日 19時) (レス) id: 543bb812b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 善逸ううう(強制終了)可愛い!もうこの世に悔いはない。 …逝ってきます (2020年5月12日 18時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花幡。 | 作成日時:2019年11月3日 0時

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