悪女面。【我妻善逸】

藍花の心情 ページ22

.(出発前の時)





まさかこんなにも早くチャンスがくるとは思っていなかった




「ふふっ、もうすぐですね...」





最初は師範が柱になってとても嬉しかった

継子に私も選んで貰えて



けど柱になればやはり柱合会議、任務、色々な場面で必要とされる




他の人間と師範が共に笑い合うのが
戦い、救い合い、信頼を築き上げるのが

私にはとても許しがたいことだった





師範は緊張しやすい性格で常に顔がこおばっていた

私には優しい顔で話し掛けるのでさほど気にしてはいなかったが、初対面の人や余り親しくない人は恐れるだろう


私はそれを利用して師範に嫌がらせを受けていると言いふらした




自分で自分に傷をつけあたかも師範にやられたかのように自作自演を続けた




嫌われてしまうかもなどという心配はしていなかった。それ以上に師範が他の人に心を開くのが耐えられなかった。




普段から愛想がいい私は大勢の人に信じてもらうことが出来た。たった一人を除いて。



それが”我妻善逸”だ




嘘をついている音がする、と訳の分からない事を言われ結局嘘がバレてしまい師範をとられてしまった



...けどもう大丈夫、師範は私の元に帰ってくる






「藍花ちゃーん！！桜餅一緒に食べましょう？」





蜜璃ちゃんの声がする


この子も馬鹿な子だ

私の嘘にまんまとはまって
気を使って屋敷にまで住まわせてくれた





「はいっ！今行きます！」




もう少しだけ騙されていてね、蜜璃ちゃん。




そしてもう少しだけ待ってて




Aちゃん





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