テンくんはかまって欲しい。【NCT】 (ページ2)

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新学期は大体忙しくなる。普段の業務にプラスして新入生の相手があるから。
勿論怪我をして保健室に来るのは当然だが

「先生～俺怪我した～」
『絆創膏貼ってあげるから…あっこら！そこは病人が寝るベットです！』
「俺だって怪我してるし！」
『ささくれでしょう！』

思春期の男の子にとっては私のような平凡な女性でも魅力的に見えてしまうらしい、ここに所属している女性教員は数学のおばちゃん先生と現在25歳の平凡女性だけだから、よりね。

何かと理由をつけてここに通う男の子は少なくないのだ。現に目の前にいる3年生の中本悠太君だって好意を露わにしてきている。日本人の子ってこんなに積極的なのか…

「ねぇ先生って彼氏いんだっけ？」
『先生には敬語！プライベートな話はしません！』
「ケチ！絶対いないね！」
『出禁にするよ？』

キャー怖い！なんて言って授業開始1分前にやっと保健室を出ていく中本くん。あんなにいい顔なら女に困らないだろうに…なんで私にこんなしつこくするんだ…

授業開始のチャイムがなる。今、体育の時間のクラスは…1組だけか、少しはゆっくり出来そう。

簡単にティーパックで入れた紅茶を持ってベランダへと出て外の空気を吸う。

はぁ、落ち着く。少し外に居よう。

ベランダに置いておいた2人がけのガーデンチェアに座り目の前の桜を眺める。

今年はこの桜が散る前に新入生男子たちのほとぼりが冷めるといいなぁ…。

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