思い思われ振り振られ【NCT】 (ページ2)

今日:9 hit、昨日:28 hit、合計:132,660 hit

･ページ2

｢へーなら俺んちくれば？部屋空いてるよ｣
『へ？』
｢家賃も2万で済むし、光熱費はタダ。駅からも近いし超良物件じゃね？｣

バイト中にお客さんが来なくて世間話代わりに今の状況を話すとそう言ってくれたのはバイト仲間で同い年のイ・ドンヒョク。

ドンヒョクの家？どういう事？部屋が空いてるって？

疑問は何個もあったが上げられた内容に問題点はない。むしろ良すぎるくらいだ。
そうと決めれば行動は早い。藁にもすがる勢いでドンヒョクの手を掴んでこう言う。

『いいなら是非お願いしたい』
｢決まり、なんなら明日引越し手伝ってやるよ｣
『ええ天才なの？なんか奢るわ』
｢高級焼肉でいいよ｣

致し方ない。ハイハイ、なんて流しながら入口のベルがなり、お客さんを向かい入れる。

大きな悩み事が消えると随分と気が楽になるものだ。この日はいつもより元気に働けた気がする。

___________

あの後ドンヒョクの家の仕組み？について少しだけ教えて貰ったがなかなか面白いところに住んでいた。

キッチン、風呂、トイレなどは共同の部屋は各自6畳1部屋。ルームシェアのようだ。
ドンヒョク以外の入居者は他3人、そのうち2人はドンヒョクと同じ大学、1人だけ私と同じ大学の子がいるらしいが会えばわかるかはちょっと分からない。

明日の引越しも免許を持ってるその同居人がレンタカーを借りて来て手伝ってくれるらしい。なんて優しいんだ。

私以外に女子はいないらしいけどドンヒョクがいれば大丈夫だろう。次の家までの繋ぎの予定だし、長居はするつもりは無い。

じゃあ明日はよろしくね、とドンヒョクに連絡をして、次に、レンタカーで来てくれるというその友達とのトーク画面を開く。お世話になるんだから挨拶をしたいとドンヒョクに許可を取り連絡先を教えてもらったのだ。

名前はジェノ、くん。この子が同じ学校なのかな？まぁ明日会って聞けばいいや。

初めまして、明日はお世話になります。と簡潔に自己紹介とともに送れば数分で返ってくる返信。

初めまして、よろしくね。なんてこれまた簡潔な文。

私の苦手な真面目タイプかな、なんて思うが手伝ってくれる程の優しい人だ。大丈夫だろう。

スタンプを送りそのまま携帯の電源を落とす。明日は2人が来る前に荷造りを終わらせなきゃいけないから早起きするのだ。

部屋を暗くして目を瞑ればいつも通りすぐ眠りにつく。明日が少し楽しみだ。いい人達でありますように。