story6 ページ9
｢A！｣
｢チャクロ？｣
Aの存在に気が付くチャクロ。
やはり先ほどの叫び声はチャクロのものだったようで、長老会の部屋の窓のそばにいると突然頭上からオウニが来て島の人間と共に連れ出されたそうだ。
チャクロとオウニの二人の気配だけでなく、もう一人分の気配があるのをAは感じる。
｢オウニ、島の人は・・・｣
｢ここにいる。急ぐぞ｣
オウニは島の人間である少女を舟に乗せ、準備をすると、先ほどのようにAの手を取る。
その様子にチャクロは慌てだし、オウニに尋ねる。
｢オウニ、どうするつもり？｣
｢コイツの島に行く。｣
｢え・・・まさか、Aまで連れて・・｣
｢・・そうだ｣
｢で、でもAは目が｢チャクロ｣｣
名前を呼び言葉を遮るAはチャクロを安心させるように微笑む。
｢私は大丈夫。それに私も流れ島に___外の世界へ行ってみたいの｣
｢A・・・｣
チャクロは黙りこみ、Aの顔を見る。
二人の話が終わるとオウニは偵察隊で流れ島へと行ったチャクロに道案内をするように言うとチャクロは静かに頷き、舟へ乗る。
オウニはAを乗せ、自分も乗り込むとサイミアを発動させ流れ島へと舟を向かわせた。
・
流れ島へ行く中、舟では沈黙が続いていた。
｢そ、そういえば名前を言ってなかったね。私はA。貴方の名前は？｣
沈黙をなくそうとし、Aは目の前に座る少女に尋ねた。
｢・・・そんなのないわ｣
凛とした無機質な声が聞こえ、Aは息を呑み違和感を覚える。
目の前にいる少女の声に感情も何も感じられないのだ。
(この子は、一体・・・)
｢あ、A。この子、ちゃんと名前はあるよ。リコスっていうんだ｣
チャクロの声にAはハッとする。
｢リコス・・・いい名前だね｣
｢・・・・・｣
｢リコス？｣
チャクロは島の少女、リコスが黙りAの顔をじっと見始めたことを不思議に思い名前を呼ぶ。
｢貴方、もしかして・・・｣
｢おい、島に着いたぞ｣
何かを言おうとしたリコスはオウニの言葉によって、言葉を止めた。
｢ん、どうしたの？｣
｢・・・何でもないわ｣
リコスはそう言うとチラリとAを見ると顔を背けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雑草(プロフ) - 突然すみません。この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2018年1月2日 0時) (
レス) id: 623fd5650b (このIDを非表示/違反報告)
巴衛新月 - はわわわ…オウニかっこいい！ニビ,夢主ちゃんのこと好きなのか！？ (2017年12月13日 17時) (レス) id: 17b6508236 (このIDを非表示/違反報告)
laststar - オウニかっこよすぎるー！個人的にはニビも好きだからこの小説すごい好きー！ (2017年12月8日 22時) (レス) id: ba47909489 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵 - ヤバい、オウニ君イケメン！ (2017年12月8日 7時) (レス) id: 1d6bbddaab (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - 更新されててテンションすごい上がりました。これからも頑張ってください。 (2017年12月5日 18時) (レス) id: 2d65d5b3aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rio | 作成日時：2017年11月11日 17時
