伊野尾side ページ9
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「もしもし？どした？」
震える手でかけた電話
隣には、やっと落ち着き眠れた大貴と涼介がいるというのに…
かけてはいけない、申し訳ないと心の底から思いながら、それでも一人でこの状況に居ることが耐えられなくて電話をかけてしまった
伊「ごめっ…ごめんなさいっ…ごめんなさい」
薮「大丈夫だよ、どうした？落ち着け、何があった？」
やっと休みに入った、やっと休息についたばかりの薮に俺は電話をしてしまった
謝ることしかできない俺にそれでも薮は落ち着いた声で話してくれる
伊「ごめっ…俺がっ…」
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事情を話せば薮は、こんな俺を怒鳴りも文句も怒ることもせず、ただ…
薮「頑張ったな…ありがとな？大ちゃん助けてくれて」
優しくそう言った
もし俺が夜勤を引き受けなかったら、もし俺が他の新薬を進めていたら、もし俺が涼介をちゃんと見守っていたら、もし俺が…
考えても考えてもキリがない
罪悪感しか生まれてこず、ひたすらに謝り続けてる俺の話を薮は全部聞いてくれた
人の役にたちたい、という気持ちはある
けれど、医者として研究者として、治験を行うには感情は捨てなければやっていけない
そんな矛盾している仕事は俺には向いてなかった
薮や光みたいに、小児科医として真剣に子どもと向き合いつつ研究者として治験を行う、なんて器用にできない
研究は好きで、病気の治療法を見つけるための実験は必要であると考えるし、それを人のためだと考えればやりがいもある
しかしいざ涼介を目の前にして、病院という名の檻に閉じ込められ、副作用に苦しむ涼介を見ていると、感情が鈍ってしまう
医者兼研究者として、病気を治してやりたい、ではなく、病気を治す治療法をみつける
その思いでやってかなきゃいけないことも分かってる
でもっ…
伊「でもっ…もう自信、ない…もう、涼介たちの前にたつ資格ない…半年もキツい…」
初めからこの仕事を引き受けなければよかった
ただの研究者として、薬だけ作っていれば良かったのに、
親から愛情を受けてない俺が…
涼介たちと同じ境遇の俺が、薮や光みたいな立派な医者なんてなれるはずがなかったんだ
薮「伊野尾…よく聞け？」
ずっと黙って俺の話を聞いてくれていた薮が、落ち着いた声でそう言った
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茅(プロフ) - すごく話に入り込んでしまって感動しました；；めおんさんの作品ほんとに大好きです！！これからも楽しみにしています！ (2020年10月18日 13時) (
レス) id: 6f86818d9a (このIDを非表示/違反報告)
Koupen(プロフ) - 今回もやられました...もう終始号泣で...。ここまで感情移入ができて感動的なお話はやはりめおんさんにしか作れないのでは、と思います笑 これからも応援してますね、完結おめでとうございます！！ (2020年10月8日 22時) (レス) id: f79358959f (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - musicmans5962さん» ありがとうございますっ！musicmans5962さんにはずっと作品を見て頂けてると思うのでとても嬉しいです泣（違ったらすみません）新作も頑張ります！ (2020年9月26日 22時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - Eeさん» 一応、おまけのストーリーなのでTwitterにしか載せない予定です、すみません涙 Twitterの方をフォローして頂ければ見れる形にはなります！ (2020年9月26日 22時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - めおん♪さんこれからの誰かのために。毎回楽しみしてました。また名作をありがとうございます(^^)最後まで読んでやっとタイトルと一致して、なんだかお話しと、タイトルを回収できて、なんだか嬉しかったです。また、めおん♪さんの新作楽しみにしてます(^^) (2020年9月26日 16時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めおん♪
| 作成日時：2020年8月24日 15時
