これからの誰かのために 2

涼介side ページ8

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涼「…っﾊｧﾊｧ…うっ…ﾊｧ…ﾊｧ」





息が吸えない


…苦しい






この感じは二回目


ゆっくり息を吸おうとしても、吐いても、空気が足りない



息が出来なくて、苦しい






一回目の時はお母さんに捨てられたとき…






…思い出したらもっと苦しくなる気がする






伊「涼介、俺に合わせて呼吸しろ？」






だから一生懸命いのちゃんの声に合わせて息をしようとする、のに…





涼「い、のちゃっ…ごめ、なさっ…ﾊｧﾊｧ…泣かないでっ…ﾊｧﾊｧ…」




俺の身体を支えてくれるいのちゃんが涙を流している


俺の頬にいのちゃんの綺麗な涙が落ちる




俺が泣かしてるんだね…

ごめんね、いのちゃん


いつもいのちゃんは俺の事助けてくれるのに、俺がまた悲しい顔をさせちゃった


もう誰にも嫌われたくないのに


どうか、

お母さんみたいに、俺の事捨てないで…


いのちゃん、ごめんなさい…




涼「…ﾊｧﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…っ…」



大丈夫だから、泣かないで


そう言いたかったのに、俺は言えないまま目の前が真っ暗になった









.









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真っ暗な中、俺は一人




一人ポツンと暗闇を彷徨う









すると突然聞こえてくる、懐かしい…




大好きな…



…大好きだったひとの声が聞こえてくる









『うるさいのよっ！！！



…アンタのせいでっ！アンタが病気になんてなるからっ！



……アンタなんてっ…』









…聞きたくない




言われたくない





大好きな、、お母さんに一番言われたくない言葉







聞きたくないよ…









涼『やだっ……やだよっ……言わないでっ…やだっ』







思いっきり耳を塞いでしゃがみこむ





両手で耳を塞いでるから、聞こえないはず





それなのに…









『大丈夫だよ？顔をあげて、涼介。』









突然現れたその人は、耳を塞いでた俺の手をとって抱きしめてくれる









その人の腕の中に包み込まれる








…あったかい






身体も、心もポカポカする





とても居心地が良くて暖かい








俺はこのあったかさを知ってる






俺の、大好きなひと









『涼介』








涼『…いのちゃんっ！』





俺はいのちゃんに飛びつく








でも知ってるよ



ここは夢の中



起きて、本物のいのちゃんに飛びつくから



もう大丈夫だから


…もう泣かないで？

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