伊野尾side ページ7
.
涼「…えっ…」
今は深夜1時で、涼介はとっくに寝ている時間
たとえ起きていたとしても、何かあればナースコールするし、この時間は部屋からは出ないはず…
伊「涼介！？なんでここにいるの？涼介？」
いるはずのない涼介は、今扉の目の前で立ち尽くしていて、苦しんでいた大貴をみて驚いている
急な発作が起きて一人で慌てていてモニターで涼介のことをチェックするまで出来ていなかった
涼「な、んで……どう、したの…？だいちゃっ…だいちゃんっ…ﾊｧ…ﾊｧ…」
伊「涼介！落ち着け、大貴は大丈夫だから」
大丈夫？
どこが？
今は正式な薬を投与して安定したけど、意味の無い薬を投与され今までずっと苦しんでいたというのに、大丈夫なんて言えるはずがない
伊「涼介、俺に合わせて呼吸しろ？」
必死に息を吐こうとしている涼介の背中を呼吸に合わせて強く擦る
涼介が過呼吸を起こすのは二回目
あの時から精神的なダメージがあると過呼吸がクセになってきてる…
過呼吸は発作を誘発させるから、させないようにしなきゃいけないのに
前回も俺が涼介とあんな状態の涼介の母親に会わせてしまったせいで、今回も俺がちゃんと涼介を見ていなかったから
涼介を過呼吸にさせてるのは、俺だ…
あの時、もう二度と涼介を苦しませまいと心に決め、離職まであと半年だったというのに
涼「い、のちゃっ…ごめ、なさっ…ﾊｧﾊｧ…泣かないでっ…ﾊｧﾊｧ…」
少しずつ落ち着いてきた涼介は、そう言って意識を失うように眠った
伊「…っ」
大貴が安定してることを確認して涼介を余っていた近くのベッドに運び寝かせる
…途端
伊「…っうぅ……ｸﾞｽｯ…ちくしょっ…なんで、だよっ…」
なんで…
なんで泣いてんだ、俺
腕で涙を拭っても拭っても溢れて、止まらない
大貴はずっと意味のない新薬の副作用でまる2日苦しみ続け、発作を起こした
俺は見てるだけで何も出来なくて、結局は正式な薬を投与することしか出来なかった
挙句の果てには、一人しかいないということを言い訳に涼介のことまでチェックできず、2度目の過呼吸を起こさせてしまった
俺がしっかりした医者ならもっと子どものことを見れていたはずだし、
しっかりした研究者ならこんなに苦しめずに新薬を開発できたはず…
俺がもっとしっかりしていれば…
伊「…ごめっ…ごめんなさいっ…」
罪悪感でいっぱいになりながら、震える手で電話をかけた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 678人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茅(プロフ) - すごく話に入り込んでしまって感動しました；；めおんさんの作品ほんとに大好きです！！これからも楽しみにしています！ (2020年10月18日 13時) (
レス) id: 6f86818d9a (このIDを非表示/違反報告)
Koupen(プロフ) - 今回もやられました...もう終始号泣で...。ここまで感情移入ができて感動的なお話はやはりめおんさんにしか作れないのでは、と思います笑 これからも応援してますね、完結おめでとうございます！！ (2020年10月8日 22時) (レス) id: f79358959f (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - musicmans5962さん» ありがとうございますっ！musicmans5962さんにはずっと作品を見て頂けてると思うのでとても嬉しいです泣（違ったらすみません）新作も頑張ります！ (2020年9月26日 22時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - Eeさん» 一応、おまけのストーリーなのでTwitterにしか載せない予定です、すみません涙 Twitterの方をフォローして頂ければ見れる形にはなります！ (2020年9月26日 22時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - めおん♪さんこれからの誰かのために。毎回楽しみしてました。また名作をありがとうございます(^^)最後まで読んでやっとタイトルと一致して、なんだかお話しと、タイトルを回収できて、なんだか嬉しかったです。また、めおん♪さんの新作楽しみにしてます(^^) (2020年9月26日 16時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めおん♪
| 作成日時：2020年8月24日 15時
