勿忘草

山田side ページ42

慧「……うける」




頑張って振り絞った声で、確かに「受ける」と言ってくれた慧





慧「…やまちゃんが、手術、してくれる、でしょ？」


山「もちろん」


慧「じゃあ……がんばる…」








一筋の涙を流して、「頑張る」と言った






これまでも沢山頑張ってきた慧



これで最後にしよう





例え、手術の成功率が低くても、俺が手術するんだ




絶対に助けるから






頑張ろう







さらに細くなった慧を優しく抱きしめる





この子は絶対に俺が助けるんだ









神様がくれた最後のチャンス









高「そしたら今から手術の準備するからね、着替えようね」







雄也も涙を流しながら慧を着替えさせる









山「っよし」






心を決めて病室を出てすぐに移植の準備をする









薮「良かった、慧にドナーが見つかって…手術、俺も入るから」






薮先生が居てくれるなら安心だ






光「頑張れよ！絶対に助けろよ！」







光先生も応援してくれる







すぐに移植センターから臓器が送られてきて、俺は最終チェックに入る









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手術室の前に、運ばれてきた慧




麻酔を入れる前に一言だけ話す









山「絶対助けるから、一緒に頑張ろうね」



慧「んっ…やまちゃん…ありがとう…」







「やまちゃん、ありがとう」





その言葉を聞いて、初めて会った時のことを思い出す






最初は、俺が話しかけても聞いてくれなくて、手を繋ごうとしても振り払われた



でもそれは、愛情を知らなかった慧には当たり前のことで




この子を助けたい


そう思って毎日慧と過ごすうちに、慧のことを知って、沢山の表情を見れて、信頼関係を築いてきた








絶対に助けるから








これが最後





一緒に頑張ろうね









山「手術が終わったら、大ちゃんに会いに行こう」


慧「うん…約束…」


山「約束」









慧との２回目の約束









静かに麻酔を入れて、眠りについたのを確認して手術室へと入る









薮「絶対助けるぞ｣


山「もちろん。…頑張ろう、慧」









約束、必ず守るよ









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手術は8時間にも及んだ









慧は……

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