勿忘草

慧side ページ35

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「俺は絶対に慧を治す。慧は俺と一緒に頑張る…約束だよ」





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ｶﾞﾗﾗﾗ


高「けーいくーん検温の時間だよ…って山田せんせ！？」



いつの間に眠ってしまっていたのか、
朝、高木が検温しに来て目が覚めた

と、同時に隣から温もりが消えた




山「…っえ！？うそ！もう朝！？やっべ寝てた！…あ、慧おはよ」




どうやら一緒に飛び起きたらしいやまちゃんは、焦ってるから、俺の顔を見るなりニコッと微笑む




慧「…おはよ」

高「え！慧くんが挨拶してる！」



高木は珍しいものでも見るような顔で俺とやまちゃんを交互に見る



山「まって、薮先生何か言ってた？ていうか今何時？慧のバイタルチェックしなきゃ」




やまちゃんもテンパリすぎて病室を行ったり来たりしながら、今は俺の点滴をチェックしなおしてる




高「まだ熱高いね…あ、山田先生俺言っときますよ、慧君がまだ安定してないからここに残るって薮先生に」

山「まじ？雄也神！！えっとボルグスケール8で記録しといて、それから点滴追加でよろしく」




2人ともそれぞれの理由でパニクってたのに、すぐに医者として切り替えられるのがすごい

なんてボーッと眺める俺はというと、もう寒いのか暑いのか分からないくらいに熱は上がっていて、心臓にもだいぶ負担がかかってるのか息苦しくて、話すことが出来ない





山ちゃんに点滴を変えてもらってる間、ひたらすらゆっくり呼吸をしながら、ふとあることを思い出した



…あ、手紙

ふと手紙のことを思い出す


もう3日以上手紙を取りに行ってない

大ちゃんはまだ待ってくれているだろうか…




山「よし、おっけ。だんだん楽になってくるから、それまでちょっと頑張ろうね」



呼吸が楽になるように胸を撫でてくれる山ちゃんの手に、自分の手を乗せる



山「ん？あ、ごめん嫌だった？」



嫌じゃない、むしろ落ち着く

首を横に振って、一つ深呼吸をしてから声を出す



慧「…てがみ」


出した声は酸素マスクのせいなのか、ガラガラ声でビックリした

山ちゃんは「なんのこと？」というような顔をする

そりゃそうだ
手紙のことは隠してたから
なんとなく、誰にも見られたくなくて




山「あ！前に慧が大事にしてた手紙か！いいよ、おれ取ってくるよ？机の中かな？」




すごい、
見せてもいないのに、山ちゃんは俺の事見ててくれたんだ



それが嬉しくて、手紙の置いてある場所を伝えると、山ちゃんはすぐに取りに行ってくれた

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