勿忘草

山田side ページ28

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病院内を走り続けて15分くらい

そろそろ足がキツい…



でも、でもどこかで慧が発作起こしてるんじゃないかって考えたら、足を止められない


どうか無事でいて…

その思いで探し続ける


この2週間で慧と過ごす中で、慧の事を分かってきたはずだ

よく考えよう、今慧はどこにいる？




勉強が得意で、侑李君みたいな子どもたちに優しい慧


それから入院生活が長くて医療用語もほぼ完璧に覚えてるし、先生達の行動もきっとほとんど把握している




病院を抜け出すと考えれば、小児病棟からは乳児の方に行ってエレベーターに乗って外へ出るのが1番早い




けれど、優しくて賢い慧が、抜け出すために乳児病棟のほうに行くとは思えない



となると、小児と乳児の間のエレベーターだけど、
真っ先に向かうエレベーターなんて行くだろうか…



それならばきっと慧は階段で行くはず…


でも、慧に6階から１階まで階段で降りれる体力は無い







どうか、お願いします


慧が無事でいますように…







そう願いながら6階から階段を駆け下りる







「…っう…ﾊｧﾊｧ…ﾊｧﾊｧ…」





誰かの荒い息遣いが聞こえる

階段をダッシュで降りていくうちに、その声は近づいてきて、踊り場で人がうずくまってるのが見えた





あれは…






山「けいっ！！！」




うずくまってる子に近づけば、それが慧だとすぐに分かった



山「けい！慧！！大丈夫だからね、絶対助けるからね！」



呼吸状態は悪く、首の脈に触れれば異常な程の心拍数

いつからここにいるのか、走って居たのかはわからないけど、このままでは慧が死んでしまう




慧「…や、まちゃ…ん…？…ﾊｧﾊｧ…」


山「うんそうだよ…ごめんね、一人にしてごめんねっ」



慧を抱きしめてから立ち上がり、抱っこして急いで処置室へと運ぶ

呼吸をしやすいように起動を確保しながら意識を失わないように声をかけ続ける

足が痛いとか、疲れるとかそういう思いなんて忘れるくらいにひたすら走る



山「慧見つけました！階段で不整脈起こしてます！処置室開けて下さい！」



PHSで必要なことだけ伝えて急いで処置室へと運ぶ


すぐに駆けつけてくれた薮先生と、看護師数名で処置するも、

途中、意識を失い突然脈拍が途絶え血液循環が止まってしまった





山「慧っ！頑張って！絶対助けるから、頑張れ！」




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その後どうにか一命を取り留めたものの…




薮「……涼介、ちょっと」


告げられたのは…

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