勿忘草

山田side ページ19

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小児病棟に来て2週間


慧の担当医になって2週間




2週間も経てば慧と仲良くなれてるかと思えば、
お互いにラフに呼び合うようになったものの、未だに手を握ってあげようと思えば避けられるし、慧から会話してくることは無い



中庭が好きらしく、一緒に着いていこうとすれば来なくていいと拒否させる





どうしたらもっと仲良くなれるか考える日々の中、この2週間の間でドクターとしても任されることが増えた




薮「涼介、新患の担当お願いしていい？」

山「はい！」




例えば、新しく運ばれてきた白血病の疑いのある佐藤勝利君7歳児の1週間の検査入院の担当医になったり





光「圭人君の手術、助手頼んでいい？」




難しいオペに呼ばれたり、となかなかにハードな日々が続いていた




それもあってか慧と過ごせる時間はほんの少しずつ短くなっていた


会いに行けるのは朝、昼、晩の検温の時間と、検査や体調が不安定なときくらい




ｶﾞﾗﾗﾗ


山「け〜い、検温だよ…っていないし…」





昼食前の検温に向かえば慧の姿は無く、また病室を出て中庭に出ているようだった





山「ちょっと慧！また何も言わずに出ていったでしょ〜」




中庭で、手紙を持ってる慧に話しかける




山「ほら、病室戻ろう？」




そう手を差し伸べても、頷くだけで手は握り返されない

少し寂しくも、俺の言うことは聞いてくれるのでいいのだけれど…




廊下に運ばれてきた昼食を持って慧の病室に入る


大人しくベッドに座ってる慧に昼食を出せば、ジロジロと見られた




山「…どうかした？」


首をフルフルと横にふられる

慧の隣に座って慧が食べ終わるのを待つ


いつもだったら「美味しいそう」とか「これ俺も作ってみようかな」なんて黙々と食べてる慧に口を挟みながら食べ終わるのを待つんだけど、、、


連日の仕事の疲れからか今日は隣でボーッと食べ終わるのを見てるだけ




慧「…もう食べたけど」

山「え、ああ、ごめんね。今片付けるね」



夜また検温しに来るね

と伝えて食器を持って病室を出た


その途端




ガシャンっ！




山「っうわ、やっちゃった…」

高「うわ！大丈夫ですか！」


病室を出て、盛大に食器を落としてしまった

通りすがりの雄也が一緒に片付けてくれたけど、、


高「あれ、山田先生熱あります？」


イケメンな顔をが近づいてきたかと思えば、額にひんやりとした雄也の手が当てられた


高「薮先生に言っときますね」



…熱？俺が？

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