勿忘草

山田side ページ14

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現在朝の6時
今日も元気よく医局に入る


山「おはよーございます！」

薮「ふふっ朝から元気だね、おはよう」

光「朝からそんなに元気だと疲れるよ〜」


薮先生ともう1人、八重歯が特徴的な光先生

光先生は小児脳外のドクターで小児病棟の中の長期クラスは主に俺を含めドクターは3人

初日ガチガチに緊張していた俺だけど、長期クラスのドクターは優しい薮先生と光先生で良かった


高「慧君のバイタルチェック行ってきます」

山「あ、俺も行く」


カルテを持って雄也と一緒に慧君の部屋へ向かう

別にチェックは何かない限り看護師だけで十分なんだけど、少しでも慧君と早く仲良くなりたくて一緒に行くことにした



ｶﾞﾗﾗﾗ

山「慧君おはよう」

慧「……」


慧君から返事はなく、近づいてみると布団を頭まで被っていた

まだ寝ているのかと思い、先に点滴のパックの確認をしようと思えば

高「…慧君っ！」


検温のために布団を捲った雄也が慌て始めた


山「あちゃ、熱出ちゃったのか…雄也カヌラお願い出来る？」

高「わかりました！」



真っ赤な頬っぺに忙しなく上下する胸

急いでバイタルをチェックして、酸素カヌラを持ってきてもらうよう指示をする


山「…SpO2低いな…」


慧君の担当医になって2日目
早くも体調不良に出くわしてしまい、一旦仲良くなろう作戦は休戦して、治療を優先する

カルテにも書いてあるとおり、慧君の状態はいつ急変してもおかしくない

だから体調が悪い日は本当に気をつけなければならない

今は発熱しか見られないけど、何が起こるか分からない


高「今、薮先生に外来の方頼んで来たので今日は慧君の傍に居てもらって大丈夫ですよ」

山「ありがとう」


この病院では、小児病棟医と言っても回診の他は子供たちの検査や採血の他、外来を受け持つことになっている

しかし、担当の子の様子に従って何かあればその子に付きっきりになる

それがこの病院の良いところだと思う


だから今日は1日慧君と過ごす

ずっと一緒に居られるのは嬉しい事だけど、正直急変の恐れがいつあるか分からないのが怖い

常にチェックはかかせない


慧「…っ…ﾊｧﾊｧ…んっ…」

山「慧君？おはよう、ちょっと辛いね、大丈夫だからね」


苦しそうに眠っていた慧君がゆっくりと目を開けた

焦点が合わないのか、目はずっと俺の声を探している


山「今日はずっと一緒にいるからね」


頭を撫で胸をさすってるとまた眠りについた

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