アイノユウヒ2〜family Love〜

大貴side ページ43

雄也と侑李がウチの家に来てくれた

上がっていくことになって今はみんなでリビングで楽しくお茶をしてるところ


…隣にいる慧はずっと俯いてるけど



雄也は俺らの担任でもあるから、ずっと休んでる慧が心配で様子を見に来てくれたらしい

宏太や光の友達でもあるから、ただ遊びにきたって感じでもあるけど



侑「わっ！また新しいゲームあんの？」

涼「そう！侑李やろ！」



2人は席を外してゲームをしに行った
いつもだったら俺もゲームしに行く、と着いていくところだけど、今は慧の隣を離れられない

せっかく雄也が来てくれたんだ、慧が学校に行けるチャンスかもしれない



雄「…慧？元気だったか？」

慧「……うん」



慧の目の前に座ってる雄也は慧の顔を覗き込み、本当に心配そうな顔をする

俺は毎日会ってるけど、学校に行かなくなった慧と雄也が会うのは、冬休みも入ったため１ヶ月ぶりだ



雄「慧が元気ならいいんだ、良かった」



その教師なのにチャラついたヤンキーっぽい感じとは真逆に、ニッコリと微笑む雄也

慧も安心したのか顔を上げた



慧「……っ……ごめんなさい…っごめんなさい」



そしてポロポロと涙を流した



慧「学校行かなくてっ…ごめんなさいっ…」

雄「泣かないで、大丈夫だから。慧は悪くないよ、謝らなくていい」



綺麗な手で何度も目を擦る

それでも涙は止まらないようで、慧の目から大粒の涙が落ちていく



雄「今日はね、これも持ってきたんだ」



涙の止まらない慧に、雄也はカバンの中から何かを取り出した





…あ

チラッと見えたそれは、俺には見覚えがあった




雄「見て？これ、クラスのみんなが慧にってくれたんだ。良かったら受け取って欲しい」

慧「……っｸﾞｽｯ」




慧は震える手でそれを受け取り、もう一度服の袖で目を擦ってからそれを見る




“慧、待ってるよ！”


“姫が居ないとやる気でないよ〜”


“慧君また勉強教えてね”




冬休み入る前、学校に来れなくなってしまった慧のために何か出来ないかと、玉が仕切ってみんなに書いてもらったんだ

そこにはちゃんとクラス全員からのメッセージが書かれてある


それを慧は一人一人のメッセージを指でなぞって読んでいる



雄「慧が来れるようになってからでいいよ。慧の居場所はちゃんとあるからね」


慧「…っぅ…ｸﾞｽｯ…うぅ…」




また慧は涙が止まらなくなってしまったようだ

でもそれは悲しい涙じゃない

俺はそう信じてる

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