アイノユウヒ2〜family Love〜

大貴side ページ23

雄也と話してから、保健室へ向かう


大「っ慧！」


保健室に入れば圭人も玉も居て、ソファでうずくまってる慧もいた

慧を見つけてすぐに抱きしめる


涼「ｯｸﾞ…重いよ、大ちゃん…」

大「えっ！なんで涼介までいるの！？」


声がしたと思えば、何故か涼介までいた
途中で慧を見つけたことを聞き、保健室へ連れてきてくれたそう


高「…慧、測ったの？」


雄也の手には測定器があって、その示された数値は通常より低い

走って教室を出たんだ
退院してきてまた安定してない慧は運動なんてしたらまた低血糖を起こしてしまう


高「…低いじゃん…補給した？」


雄也の問いかけに首をふる慧

よく見れば涼介の手にはラムネが握られていて、慧の様子を見れば補給していないことがすぐに分かる

低血糖は早めの段階から糖分を補給すれば大丈夫
そうやってコントロールしていくしかないんだ


それを知っているのに補給しない、ということは慧の中で限界が来てしまったんだね…

いつかこんな日がくるんじゃないかって、少し思ってた


だって俺だったら耐えられないと思う…

毎日何回も痛い注射しなきゃいけなくて、体調が悪くなる前に食事もコントロールしなきゃ行けない

辛いよね、辛かったはず…

それなのにここまで文句を言ってこなかった慧は本当に凄いよ



大「慧、大丈夫。辛かった寝ちゃおうか、俺となりいるからね」


俯いてる慧に優しく声を掛け、いつも宏太がしてくれるように頭を撫でる

さりげなく、身体を横に倒すように寝かせて「大丈夫だよ」と伝えながら手を握ればすぐに寝息が聞こえてくる

退院してきたばかりだから身体も疲れてたよね
ごめんね、と眠ってしまった慧に呟きながら追加の注射を打つ

そのまま放っておけば、低血糖でもっと酷くなってしまうから

どうか起きないで、という願いを込めながらいつも以上に優しく打てば慧は起きなかった




涼「……慧、どうしたの…」


眠ってる慧の涙を流した跡を拭う涼介がボソリと言う


圭「きっと疲れちゃったんだね、慧頑張ってるもんね」


あ、やばい
圭人の言葉で俺が泣きそう…



涼「……ｸﾞｽｯ…けいっ…」



でも、俺より先に涼介が泣いたことで俺の涙は引っ込む


涼介だって怖くないはずがない

慧は涼介の前だとお兄ちゃんぶるから、涼介の前でこんな弱気になるなんてよっぽどだ



大「慧は大丈夫。慧が強いのは涼介も知ってるでしょ？」


本当だよ？

慧は強いんだ、だから大丈夫

俺たちで支えよう

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