アイノユウヒ2〜family Love〜

慧side ページ4

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時の流れとは早いもので、季節はあっという間に冬だ

今年は温暖化のせいでまだ雪は見れていない


せっかくこの前席替えをして窓側になったというのに景色は何も変わらないまま



外の景色も飽きたので、手に持っている《進路希望》と書かれている用紙に目をやる





高「じゃあ5限のホームルームは教室で、各々今渡した用紙に記入しておいてな」





朝、担任の雄也に渡されたその用紙には俺はまだ何も書けていない、白紙だ


高校2年生の冬となれば、そろそろ進路を考えなくてはならない時期


3年生になったら早い人なんかは4月や5月に受験し合否が決まったりし始める




そろそろ俺も考えなくてはならない…


大学や短大へ進学するか、特定の仕事に就くために専門学校へ行くのか、はたまたこのまま就職するのか…




人生を気楽に生きてきた俺に、進路なんて決められない



いや、否

気楽じゃないから決められないのか…




病気の俺を雇ってくれるところを探すのは難しい


一生付き合っていかなきゃいけないこの病気は、1日に決まった時間に数回注射をしなければならなかったり、
いくら制限はないといっても、食事や運動のコントロールはしなければならない


進学、という答えもあるけど、病気のことで散々お金をかけてもらってるんだ





両親のいない俺らを養ってくれてるのは宏太と光だ
大ちゃんだって涼介だっている


俺の進学までお金を払わせたくない








大「けーい！書けた？」


慧「ん〜悩み中…大ちゃんは？」


大「俺は今のところ勉強苦手だから勉強しない仕事を探し中〜」






大ちゃんらしいや、と笑ったけど俺の顔はちゃんと笑えてるだろうか









…結局その日だけでは考えはまとまらず、俺は白紙で出した









高「慧、ちょっと…」





放課後、雄也に呼ばれ大ちゃんに「ちょっとまってて」と伝え雄也の元へいく





高「進路に着いてなんだけど、白紙だったからさ…」





言われると思ったよ、でもなんて書いたらいいか分からなかったんだ…


何も答えられない俺を見て、雄也は全部わかっている
のか、俺の頭をポンポンとたたいて





高「大丈夫、１回ちゃんと宏太たちと話してみな？もしまだ話せないようだったら俺でもいいし」





その言葉に少し安心して、ちょっぴり心が軽くなった









それなのに……

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