終わりの合図 ＊ 5 ページ42
＊
｢大丈夫か、タツヤ！｣
緑川リュウジの声が聞こえて、そっちを見る。
ゴール近くでうずくまっている基山タツヤと、その周りにあつまるチームメイト。
さっきのミスで足を痛めたのかな？
基山タツヤは緑川リュウジに連れられてベンチへ向かっていった。
ーーー
消えなかったNGシーン
｢なんでお前が！！あっさり！！
塩ラーメン！！！！
あっ｣
｢しwおwらwーwめwんwww｣
ーーー
基山タツヤは、足をかばいながら試合を続けていた。
小さい2人にも見ただけで痛みが伝わってくるのか、ずっと基山タツヤを心配そうな目で見つめていた。
｢大丈夫かな……｣
｢痛くないのかな……｣
｢きっと、悪化する前にとめ……あっ｣
彼は一瞬前の着地が足に響いたのか、よろめいた。
どんなにサッカーが好きでも……そこまでやったら、壊れちゃう……。
それくらいまで、基山タツヤの消耗は激しかった。
｢たとえどんなにボロボロになろうと、俺は諦める訳には行かないんだ、こんなところで！｣
｢基山タツヤ。
今下がらなければ、深刻な故障を招く危険もありますね。｣
｢退くようには見えないけどね。｣
｢基山タツヤ……大丈夫、かな……｣
｢さあ？
……ああまで彼を動かすものは、なんなのかな｣
サッカーが好きって言う気持ちだけなら、きっともう辞めているはず。
この後にもサッカーを続けたいと思うはずだから。
じゃあ、何で……？
もしかして、今ここにいない……吉良くんと何か関係がある……？
考えすぎ、かな。
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