笑わない華 ＊ 11 ページ13
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あれから数日……月ノ宮中サッカー部も2回ほど予選の試合があって、勿論無失点のまま勝ち進んでいた。
……とは言っても、私は王帝月ノ宮の試合を見させてもらったことなんてないから、結果だけ聞いてるけど。
きっと……野坂くん達が秘密にしていることと関係があるんだと思う。
でも、アレスの天秤の目標が何なのかがよく分からない。
完璧を作り出して、何をしたいの……？
そして今日は、雷門と帝国の試合の日。
野坂くんから許可が降りたので、なんとなく1人で試合を見に来たんだ。
勿論……と言っては何だが、雷門の勝利。
少し前に見た星章と木戸川の試合もそうだけど、つまらない。
ただ、サッカーをやっているだけの人達にしか見えなくて。
野坂くん達がやっている機械的なサッカーではないけど……でも、そんなサッカーなんだな……って。
なにも感じない筈なのに、何かを知った気がする。
……気の所為、かな？
｢いいな……サッカーって感じがして。｣
｢……あいつは……｣
ー
｢お前、王帝月ノ宮の姫宮だろ。｣
｢……？そうですけど。｣
｢ふっ……やはりそうか｣
この人は……鬼道有人。
特徴的なドレッドヘアーを束ねて、ゴーグルをつけてといて…………元々帝国、元雷門と色々経歴が凄い人。
ピッチの絶対指導者と呼ばれ、円堂守と共に日本一に輝いた人。
今は星章学園のサッカー強化委員として活動しているらしい。
｢鬼道さん……ですよね。
私に何か用ですか？｣
｢いや、用という用は無いんだが……
姫宮、灰崎と会ったことはないか？｣
話しかけられたかと思えばいきなり灰崎くんについて尋ねられる。
私は嘘をつく理由もないので、首を縦に振った。
すると鬼道さんは何かに納得したような顔をして去っていった。
……なんなんだろうか。
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