夜雫ツートーン【プロセカ】 (ページ32)

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魔法のお話＊2 ページ32

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───ありがとうございました……っ！

客席にいる人達の大きな歓声が私達を包む。

何とか、上手くいったみたい。

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えむ｢良かったぁ～！
大成功だねっ！｣

寧々｢Aが演歌歌い出した時はビックリしたんだけど。｣

A｢恥ずかしい……｣

寧々は曲の題名を言ってくれたらしいんだけど、私にはえんかにしか見えなくて、とりあえず私が知ってる演歌を歌ったんだけだど……。

ある意味で、大盛況というか……私からすれば大失敗なわけだけど……。

そんな感じでずっと落ち込んでいる私を男子陣がフォローしてくれる。

司｢しかし！歌自体は上手かったからよしとしよう！｣

類｢演技も上手かったしね。
あれくらい上手いのであれば、スカウトしてもいいと思ったよ。｣

冬弥｢Aだけ完全なアドリブだったのにかなり観客の目を引いていた。｣

冬弥は良かったと思う、とだけ。

そういうフォローされるのが1番辛いんだけど……！

A｢……ってあれ、今日、何かやらなきゃいけないことがあった気がするんだけど……
冬弥分かる？｣

冬弥｢特に聞いてないな……｣

寧々｢なんで青柳に聞いて分かるって確信してるの……｣

A｢最近、物忘れが激しくて……冬弥がいつも助けてくれてるから。｣

これも若年性アルツハイマーのせいなのかな、と思うと切なくなる。

自分で言うのもなんだが、私は物忘れをしないタイプなので、怪しいと言ったら怪しいのかもしれない。

まあ、最悪甘えたいとかなんとか言っておくけど……。

司｢何か用があるなら、帰った方がいいんじゃないのか？｣

えむ｢えぇ～っ！もう帰っちゃうの！？｣

ヤダヤダ～！と私にしがみついてくるえむちゃん。

可愛い……。

A｢思い出せないってことはそんなに大事じゃないんだよね……よし、もう少しここにいよう。｣

えむ｢ほんとぉっ！？｣

冬弥｢いいのか？A。｣

A｢別にいいよ、どうせつまらない事だし。｣

冬弥｢ならいいのだが……。｣

冬弥も気にし過ぎ……私がいいって言ってるからいいんだよ？

そう言おうと思ったけど、冒険大好きらしいえむちゃん、自称未来のスターの司、機械いじりが大好きらしい類さんに同時に声をかけられたことで、その言葉が私の口から出ることは無かった。