回り始める*3 ページ27
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そんな私の心を読んだのか、類さんはむしろ演出をつけることが大好きだと言ってのけた。
あ、演出って……もしかして……。
A「司が前に言っていた、凄い演出を考える人って……」
類「僕だね。」
A「あらまあ……」
司「なんだその近所の叔母様みたいな驚き方は!!」
司よりも年下なんだけどな……と思いながらもその言葉をスルーしてさらに後ろの方で退屈そうに足をぶらぶらとさせている女の子に目を移す。
その女の子は私の視線に気づいたのか、楽しそうに駆け寄ってきた。
??「わわっ!
Aちゃんとあお……冬弥くん!!
こんにちわんだほ〜いっ!」
冬弥「鳳さん、こんにちは。」
A「こ、こんにちは……え、えっと、
鳳さん?」
??「うんっ!
あたし、鳳えむ!よろしくね〜っ!」
A「えむちゃんか……よろしく。」
この時、その場にいた私以外の皆が『財閥令嬢だぞ気づけよ(ただし口は悪くない)』と思っていたことなんて知る由もない。
えむ「あ、でもショーが始まるまでまだ時間がある〜!!
Aちゃん、冬弥くん、あたし達がフェニックスワンダーンドを案内するよ!!」
A「いいの?」
えむ「もっちろん!
楽しみにしててね〜っ!」
A「あ、魚はやめてね……」
どこまでも広いフェニランに、私が来てない間に魚しかいない場所があったりしたら嫌だと思い、そう伝えたけどえむちゃんには届いてない……。
いざとなったら司を盾にして逃げよう……。
そんなことを考え、司の背中を押しながらえむちゃんの後に続く私だった。
司「な、何だ!?
おいA、何を考えているんだ!?!?
まさか虫でもいるのか!?!?」
A「天馬司は未来のスター……」
司「な、なら仕方ないっ!!」
寧々「ちょろ……」
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作者名:桃園天利 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1eec8acd853/
作成日時:2021年5月25日 23時