当たり前*15 ページ17
*
放課後。
今日も特にやることは無いし……帰ろうかな。
冬弥「A!」
ホームルームが終わると同時に、教室のドアを音を立てて開けたのは冬弥。
そして私の名前を呼んだ。
A「冬弥……どうしたの?
そうだ、やることないし一緒に……」
冬弥「A、1度病院に行かないか?」
A「病院……?私、風邪なんて引いてないけど……」
冬弥「……頼む。」
冬弥がそんなに言うなんて、珍しい。
私は冬弥と一緒に病院に行くことにした。
総合病院に入り、冬弥が向かったのは……精神科だった。
A「冬弥……ここ、精神科だけど。」
冬弥「……嗚呼。」
冬弥は私の手を引いて、受け付けを済ませた。
少し待つと、診察室に呼ばれたので冬弥を座らせて1人で向かう。
冬弥が先に何か言っていたのか、少し質問をされたあとに検査のようなものが始まった。
小学生がやるような単純なことだったり、最近あったことを話したり。
一瞬言葉につまったりしながらも何とか終わらせた。
私、こんなに記憶力悪かったっけ……。
診察が終わり、1度廊下に戻る。
冬弥「……どうだ?」
A「診察は終わったけど……
まだ何も言われてない。」
冬弥「そうか。」
それっきり、私達の会話はなかった。
医者「青柳Aさん、診察室にどうぞ。」
A「あ、はい。」
席を立ち、冬弥にバッグを預けて中に入る。
椅子に座るように促されたのでそのまま腰を下ろす。
すると、お医者さんは眉をひそめながらも前置きをした。
何か……あるのかな。
医者「まだ可能性の話ですが……
青柳さん、貴女には若年性アルツハイマー病の疑いがあります。」
A「……え?」
89人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桃園天利 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1eec8acd853/
作成日時:2021年5月25日 23時