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安室さんは、ベルモットに変装した私を見てしかめると エスコートをしてくれた。
「赤...僕、赤は嫌いなんです。
二度と僕の目の前で赤を着ないでもらってもいいですか?」
「....そうだったかしら。」
安室さんから伝わってくる殺気に冷や汗が出る。いつも穏やかなのにこんなに冷たい目線が送られてくるなんて思わなかった。
やっと出せた言葉は、安室さんをイラつかせるような言葉で、一層殺気が溢れる。
怖い。怖すぎる。こんなに怖い経験なんかした事ない。
震える手に気づいたのか、フッと鼻で笑われた。
「何震えてるんですか。今日はただの下見ですよ?貴方らしくない。」
「別に震えてなんかないわよ。冗談はやめてちょうだい、」
「そうですか。では下見が終わったら向かいに行くのでホールで待っていて下さい。」
人で賑わう豪華なホールに入ると見た事のある人達ばかりが集まっている。右を見れば有名俳優。左を見れば大企業の社長さん。斜め前には黒の女の子とコナンくん。
・
・
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コナンくん?!
やましいことはしていないが、何故かバレてしまってはいけない気がする。だって今日はクリスの代わりだし、
気づかれないように人混みに紛れていく。
絶対こんなのバレたくない。私だって、こんなとこきたくなかったし、パーティとか人のなれあいばっか、お互いに腹の中探りあって楽しめるもんじゃない。
よくパーティなんて呼ぶわ。
壁の花として決め込もうと思っていたら、聞こえてきた可愛らしい声。
「もしかして、女優のクリス・ヴィンヤードさんですか?!」
「....いいえ、違います」
「あ、今 間がありましたよね?!ご本人様じゃないなんて通用しませんよ?!私、わかるんです!あなたは本物のクリス・ヴィンヤード!!」
「..ごめんなさい。気分が悪いの失礼するわ」
目の前でベラベラと女優のクリス・ヴィンヤードを語る知らない少女。嫌いな人の良さを語られたところで何も入ってくるわけがない。
さっとフロアを出ると、そのままタクシーを拾って帰ることにした。
安室さんには悪いけど、置いてく。普段あの女のアッシーみたいになっているんだったら別に雑な扱いもしてていいでしょ。
カラコンとウィッグを外して、AAとして会場を後にする。
もう絶対頼みなんか聞かないし、あの女にも関わらない!安室さんだって怖かったし、やっぱ人間って信用ならない。
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よる - 面白かったです!キールが出てくるのは珍しいのでとても気になります!更新待ってまーす! (2020年6月16日 23時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - にっしーじゃぬさん» 細かくてすみません。いつも楽しみに読ませていただいています。頑張ってください。応援しています。 (2020年3月30日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
にっしーじゃぬ(プロフ) - 明里香さん» 間違いの指摘ありがとうございます。修正しました。これからも「この顔本当にどうにかしたい」をよろしくお願いします! (2020年3月30日 22時) (レス) id: 8eb32adcee (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 32話にも誤字がありました。「手を話すことなく」ではなく、「手を離すことなく」です。 (2020年3月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 31話にも誤字がありました。「見に行っても行かな」ではなく、「見に行ってもいいかな」です。 (2020年3月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にっしーじゃぬ | 作成日時:2019年7月23日 23時