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『ちょ、角名くん、どいてや……』
依然立ち上がれない私は、角名くんの肩を軽く押した。
すると、角名くんはおもむろに私の上履きを脱がし、靴下に手をかけた。
『へっ!?すすす角名くん何をして……!!?』
靴下を脱がせるために、角名くんの細い指が靴下の中に入り込んでくる。
足を抱え込まれているため、余計に恥ずかしい格好になっている。
「? 足捻ってたら大変だから、見ておこうかと」
『足!?だだだ大丈夫だから!!』
「ダメ。怪我してたら保健室連れてくから、大人しくしてて」
されるがままに靴下を脱がされ、足首を横やら縦やらに傾けられる。
いや、本当に捻ってないし全然痛くないんだけど……。角名くんは真剣な顔で私の足を見ていた。
「腫れてはないし、赤くもなってないから大丈夫だとは思うけど……」
足から視線をこちらへ向けた角名くんは、驚いたようにいつも細い目を少し見開いた。
「ちょっと、なんでそんなに顔赤いの。やっぱ痛い?」
『い、いや、だって、この体勢はちょっと恥ずかしいというか……』
我に返ったようにはっとすると、私の足を離し勢いよく立ち上がると、数歩だけ後ろに下がった。
(付き合ってもない子の服(靴下)を許可なく脱がすとか俺本当何やってんの責任取れないんだけど俺もしかして逮捕されるセクハラ???)
角名くんの思考回路がショート寸前だという事も知らずに、呆然と立ち尽くす角名くんに私は首を傾げた。
そのまま角名くんは流れるようなフォームで土下座した。
「平手打ちで許してください……」
『え!?いや平手打ちはしないけど……。あ、代わりにタオルの場所教えてや』
「部室の奥の棚にあります」
『じゃあ取ってくるね(なんで敬語……?)』
靴下を履き上履きも履くと、私は角名くんにお礼を言ってから部室に向かった。
(はぁぁぁああ恥ずかしいぃいい)
普段女の子と関わらない弊害か。
このあと角名くんはこの恥ずかしさを打ち消すようにスパイクを打ちまくり、尾白先輩よりも点数を決め、調子が良すぎるとチームメイトに褒められていた。
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あまのじゃく(プロフ) - ういさん» やっぱちょっと訛ってましたよね!?萌えですね! (2020年8月17日 6時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - ことりさん» ぎゅんぎゅんw心臓大丈夫ですかw読んでいただきありがとうございます! (2020年8月17日 6時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - 角名君標準語だけどイントネーションが関西ですよね!萌えました! (2020年8月17日 1時) (レス) id: a04005cb99 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - 北さんんんんんん(悶) 頭撫でてはずるい…ぎゅんぎゅんしました…笑 (2020年8月15日 0時) (レス) id: 19c0d362e8 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - 麗さん» ぎゃー!!ありがとうございます!! (2020年8月14日 23時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2020年7月11日 8時