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あれから二日後の月曜日。
少し顔を赤くして幸せそうな表情で登校してきた花音に、デートはどうだったのか質問攻めした。
『はぁ〜あ、腰抜かしてなければあのまま着いていって二人のイチャイチャが見れたのに〜』
「すまんて」
今はちょうどお昼の時間。侑くん以外のバレー部2年と私で集まって、またもやお昼ごはんを食べていた。
治くんはというと、本当に悪いと思っているのかとツッコみたくなるほど目の前の飯に全神経を注いでいた。
「腰抜かすって、何したのさ治」
「え?こう、後ろから抱きしめて……」
『ちょっと!何言ってんの!!!』
「やって、本当のことやし」
『恥ずかしいから言わないで!』
すると角名くんがいつも細い目を更に細めながら、私たちを見てきた。銀島に至っては顔を赤くしてわなわな震えていた。
「なに、まさか二人共【自主規制】したの?」
「角名、言いおった……」
真顔でド下ネタを言うもんだから、私は持っていたサンドイッチを落としかける。
『は、は、はぁ!?してへんし!!』
「せやで、角名。未遂や」
『もう黙っといてもらってもいいですか』
ややこしい事ばかり言うもんだから、先程から飯しか食べていないフードファイターをギロリと睨む。
何食わぬ顔で本日3個目のおにぎりを頬張る彼を怒る気になれなかった私は、そうとう彼を甘やかしてしまっているのかもしれない。
「なーんだ。本当だったら面白かったのに」
『サイテーかよ角名くん』
「今度俺ともやろうね」
『誰がやるか!!!』
終始真顔のチベットスナギツネに喝を入れると、私は視線を窓の外へと移した。
今日も中庭では、侑くんと花音が仲良くお弁当を食べている。
そして、花音の髪には綺麗な髪飾り。
朝『どうしたのか』と聞くと、なんと「侑くんに買ってもらった」と言っていたのだ。
『くっ……早く付き合えや……!今日も尊いなぁありがとうございます』
私が感涙していると、「銀、それ一口ちょうだい」「ええで」なんて私をガン無視している声が聞こえるが気にしない。
今日も今日とて、二人の甘酸っぱさに胸をキュンキュンさせながら、私のお昼休みは過ぎていった。
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あまのじゃく(プロフ) - ういさん» やっぱちょっと訛ってましたよね!?萌えですね! (2020年8月17日 6時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - ことりさん» ぎゅんぎゅんw心臓大丈夫ですかw読んでいただきありがとうございます! (2020年8月17日 6時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - 角名君標準語だけどイントネーションが関西ですよね!萌えました! (2020年8月17日 1時) (レス) id: a04005cb99 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - 北さんんんんんん(悶) 頭撫でてはずるい…ぎゅんぎゅんしました…笑 (2020年8月15日 0時) (レス) id: 19c0d362e8 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - 麗さん» ぎゃー!!ありがとうございます!! (2020年8月14日 23時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2020年7月11日 8時